中国の感染ゼロ政策 世界各国での規制緩和の動きと対比鮮明に

世界各国で中共ウイルスとの共存・共生が提唱されている中、中国国内では依然感染ゼロ政策が推進されています。専門家らはオミクロン株はデルタ株に比べて症状が軽いと指摘しているものの、これは、中国共産党にとって規制基準を下げる理由にはなりません。国内で初めてロックダウン都市封鎖)が発動されてから3年目に突入し、経済的な混乱や社会不安が増幅しています。

中共当局の感染ゼロ政策は、世界の多くの国々の感染対策とは一線を画しており、ロックダウンや水際措置、大規模なPCR検査など、世界で最も厳しい対策が行われています。

しかし、強い感染力を持つオミクロン株は、中共当局の厳しい感染対策を押し退ける形で、中国国内に侵入してきました。

欧米諸国では、政府の感染対策に対する国民の反発が大きくなっています。ベルギー、フランス、米国などではワクチン接種や行動制限措置に対する抗議デモが行われています。

しかし、世界で最も厳しい感染対策下に置かれながら、中国の民衆のほとんどは反発や抗議の声を上げることなく、当局に従っています。

中共当局は、各省で発生した感染拡大に対して厳しい措置を発動しています。全市民を対象にした大規模なPCR検査、市全域にわたるロックダウン、行き過ぎた外出規制など、可能な限り感染経路を遮断しています。

また中国は、世界最大の物資輸出国の一つでもあり、感染ゼロ政策により輸送や輸出が滞り、世界のサプライチェーンの混乱に拍車をかけています。

国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエヴァ専務理事は先日、中国に対し、感染ゼロ対策は中国と世界経済の双方にとって「負担」であると指摘し、この政策について「再評価」するように求めました。

中共はスタンスを変えず、逆に欧米諸国を指弾し、各国が同じように厳しい規制を課さないのは「無責任」であると非難し、感染ゼロ対策は中国の民衆のために実施していると主張しました。「感染ゼロ」対策は今後も続く可能性が高いとされています。

中国国内では、中国共産党の最高指導部の人事を決める党の重要会議が迫っています。

中共の習近平総書記は、今年秋に開催が予定されている共産党第20回全国代表大会で異例の3期目続投が確実視されています。

過去を振り返ると、中共の重要会議が無事に閉幕するまで、内外の課題に対する慎重な姿勢が見られ、感染対策としての規制措置を取り下げない可能性が高いと考えられています。

 
関連記事