天津市民「隔離期間が終わっても自宅に帰らせてもらえない」

深刻な感染拡大に見舞われている天津で、高リスク区域ではない居住区に住む市民が取材に対し、すでに25日以上強制的に隔離されており、年越しの時に食べたものは麺入りのスープで、今もまだ家に帰れないと明かしています。

天津市河北区の「匯仁雲居」の住人
「大型バスがすでに2台出発した。これは3台目のバスだ。問題がかなり深刻なようだ。我々の1号ビルにはこんなことが起きてほしくない。神様、どうか守ってください」

天津市には現在、中リスク区域と高リスク区域が合計で4か所あり、そのすべてが河北区内に集中しています。天津市河北区王串場通りの「匯仁雲居」7号ビルはそのなかの中リスク区域の1つに指定されています。王串場通り1号路区域はすでに封鎖されており、旧正月期間中にも関わらず、往来する人影はありません。

記者
「年越しはどんな風に過ごしたのか?」

天津市民 林さん(仮名)
「麺のスープを飲んだ。仕方がない。あるものを食べるだけだ。1月8日から隔離されて外出できないので、食べ物があるわけがない。ほかの人が何かを作ったらそれをチャットグループに投稿するので、自分はそれを見るだけだ」

2月2日、天津市民の林さん(仮名)は取材に対し、自身は寧波区に住んでいるが1月8日に津南区の「林繍花園」に住む友人に会いに行ったところ、はからずもそこに閉じ込められることになってしまい、最初は友人宅にいて、それからホテルに連れて行かれ、23日間隔離されてしまった、隔離は1月30日で終わったのに、まだ家に帰らせてもらえないと話しています。林さんはこの間にPCR検査を20回以上も受けましたが、すべて陰性でした。また行動コードも緑で、星マークも付いていません。

天津市民の林さん(仮名)
「ホテルの隔離期間である14日間が過ぎたのだから、私を帰宅させなければならないのに、彼らはあと7日間隔離が必要だと言うのだ」

1月11日、天津市当局は津南区辛荘鎮林錦花園と林繍花園を高リスク区域に指定しました。それ以来、この二つの居住区の封鎖は解除されていないと林さんは言います。

天津市民の林さん(仮名)
「ニュースなどでも封鎖を解除したと報じたのに、この2つの居住区の封鎖は解除させてもらえない。理由は私にもわからない。我々は彼らに、国の関連文書を要求したが、彼らはくれないし、そんなものはないと言う」

天津市共産党委員会の李鴻忠書記は2月1日、全市感染拡大防止コントロール指揮ビデオ会議の中で、感染拡大の予防と管理は極めて複雑な状況にあり、末端の党組織に「真の管理、真のコントロール、厳しい管理、厳しいコントロールを行い、適切な封鎖、適切な管理を確実に保証する」よう要求しました。

そのため、旧正月の1月2日から、天津市河北区と河東区の2つの区域の封鎖・管理区域内の住民に対し、PCR検査が要求されています。

現在、もはやリスク区域ではない区域で未だ管理下に置かれている林さんは、悶々としていると話しています。

天津市民の林さん(仮名)
「天津市のホットラインに電話してもダメだ。何度電話をかけても無駄だ。市政府に電話をかけてもつながらない。居民委員会の感染防止の番号にかけてもつながらない。彼らは説明もなしに、隔離すると決めたら、あなたを隔離する。理由も言わない。庶民の生活のことなど考えない。政府は庶民のことは考えない。ただ自分の実績を上げることしか頭にない」

 
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