五輪で金メダル獲得も 二重国籍疑惑に明言避ける

北京冬季オリンピックでは、ある選手が注目を集めています。谷愛凌(アイリーン・グー)は、フリースタイルスキーの中国代表選手です。谷愛凌は、今大会で中国初の金メダルを獲得し、一躍「英雄」となり、中国で絶大な人気を誇っています。

その一方で、谷愛凌選手は二重国籍疑惑が報じられています。

2月8日に行われた記者会見で、米国の報道陣から国籍に関する質問が相次ぎましたが、谷愛凌選手は明言を避け、自身の使命は「スポーツを団結の力として使うこと」であると述べました。

北京冬季五輪金メダリスト 谷愛凌選手
「私は、米国にいるときは米国人であり、中国にいるときは中国人だ」

記者たちは、同じような質問を言い方を変えながら投げかけましたが、谷愛凌はその一つ一つをはぐらかしました。

米サンフランシスコ生まれの谷愛凌は、米国人の父と、中国北京出身の母親を持ち、2019年に中国国籍を取得したとされています。なお、米国籍を放棄したとの記録はありません。

しかし、選手のオリンピックの参加資格は、誰が、どのように決めるものなのでしょうか。

オリンピック憲章では、すべての競技者は、自らが代表する国の国民でなければならないと定めています。さらに、選手がもし2つ以上の国籍を持っている場合、どちらか一方の国しか代表できないと定められています。

しかし、中国の法律では二重国籍は認められておらず、中国の国籍を持たない永住者は 「外国人」とみなされています。

中国の法律には、「中国で永住資格を取得した外国人は、中国への出入国時に有効なパスポートと外国人永久居留(きょりゅう)身分証を提示しなければならない 」と記されています。

BBCの報道によると、ニューヨークの中国総領事館は、谷愛凌が中国オリンピック代表の資格を得るために、永住権取得の手続きを行っていることを確認したとしています。

 
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