中国系のネイサン・チェン選手 中国で批判に晒される

米国北京オリンピック金メダリストであるネイサン・チェン(陳巍)選手が、中国のソーシャルメディア上で反発を受けています。彼の中国に関する発言と関係があると思われます。

22歳のネイサン・チェン選手は、2月10日に行われたフィギュアスケート男子シングルで金メダルを獲得しました。しかし、彼の勝利は中国のネットユーザーには受け入れられませんでした。

中国のソーシャルメディア「ウェイボー(微博)」では、チェン選手の演技はむしろ平凡なものであったという意見がほとんどでした。多くの人がチェン選手の勝利に怒りの声を上げ、中にはチェン選手は中国を侮辱していると非難する人もいました。

このような投稿が飛び交っているにもかかわらず、実際にはチェン選手のパフォーマンスに対する反発ではないという見方が強まっています。

チェン選手は昨年10月のインタビューで、中国の人権記録がひどいものであることに同意すると述べ、中国国内の改善には目覚ましい規模の変化が必要であると指摘しました。

この発言に対して、一部のネットユーザーから「中国を侮辱している」と非難する声もありました。この他、チェン選手のプログラム使用曲の選択にも批判が集まっています。

2018年の平昌オリンピックの演技では、映画『小さな村の小さなダンサー(Mao’s Last Dancer)』の音楽を使用していました。

この映画は、共産党の元指導者、毛沢東が引き起こした文化大革命の時代を舞台にした作品で、中国人ダンサーが共産中国から脱出し、米国へ旅立つ物語です。

ネイサン・チェン選手は、中国系移民の両親のもと、米国で生まれました。

〈字幕版〉

 
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