豪州とリトアニアは、志を同じくする国々が中国共産党からの経済的な手段を通じた圧力に、団結して対抗することの重要性を訴えました。
豪州のマリゼ・ペイン外相とリトアニアのガブリエリウス・ランズベルギス外相は2月9日に会談を行い、戦略的課題、特に中共の圧力に対する協力を強化することで合意しました。
リトアニア外相 ガブリエリウス・ランズベルギス氏
「豪州はかなり前から、中国が経済や貿易を政治的手段、政治的武器として利用し、脅迫の的にされた代表的な例であった。現在、リトアニアも、中国により輸入制限された『排他的なクラブ』の仲間入りをしたが、中国の標的となる国は我々で最後ではない」
中国共産党政権による経済的な圧力は、両国に大きな損害を与えています。
豪政府が中共ウイルスの発生源を巡る独立した調査を要求したことに端を発し、中共により豪州産品に高関税が課されたり、通関手続きを遅滞するなどして、豪州は数百億ドル規模の損失を被りました。豪産石炭やワイン、牛肉、大麦などがその対象とされています。
昨年11月、リトアニア政府は首都ヴィリニュスに台湾の出先機関を開設しました。その報復措置として、中共政権はリトアニアとの外交関係を格下げし、経済的な圧力を強めています。
開設された代表機関の名称には、「台北」ではなく、「台湾」の表記が用いられました。台湾との外交関係を持たない国は通常、中共への配慮から出先機関に「台北」の表記を使用しています。
台湾には独立した憲法があり、民主的に選出された指導者がいるにもかかわらず、中共は台湾を自国領土の一部と主張しています。
中共の「一つの中国」原則に反する行動は、しばしば激しい非難の的となります。
中国がリトアニア産製品の通関や輸入申請を拒否し、また複数のEU加盟国の企業にリトアニア製の部品を使用しないよう求めていることを受け、先月、欧州連合(EU)は世界貿易機関(WTO)に提訴しました。
両国と中国の関係が冷え込む中、会談で豪州のマリゼ・ペイン外相は、協力関係の強化を訴えるランズベルギス外相に賛同を示しました。
豪外相 マリゼ・ペイン氏
「国際的なルールに基づく秩序の運営に関心を持ち、自由で開かれた貿易に関心を持ち、誠実さと透明性に関心を持ち、安全と安定に関心を持つ、志を同じくする国々が、これらの問題に関して共に対処し、一貫したアプローチをとることの重要性について、私はリトアニア外相に全く同感である」
豪政府は先日、リトアニアを巡りEUが中国を提訴した問題について、WTOでの協議への参加を申請すると発表しました。
これに対し、ランズベルギス外相は、豪政府による協議の参加に歓迎の意を示しています。