日本政府は敵基地攻撃能力の保有についての検討を本格化させています。
岸信夫防衛大臣は16日の衆院予算委員会分科会で、政府が保有を検討する「敵基地攻撃能力」を巡り、自衛隊機が相手領空内に入り、軍事拠点を爆撃する選択肢について「排除しない」と述べ、また自衛の範囲内に含まれるとの認識を示しました。
しかし、前提として国民を守るため、他に適当な手段がなく、必要最小限度の実力行使にとどまるなど、自衛権の発動要件を満たすのが条件だと説明しました。
岸大臣は、脅威について具体例の言及を避けたものの、今年に入ってから北朝鮮がミサイル発射実験を頻発していることを念頭に置いたものと見られます。
岸田首相は先月26日の参議院予算委員会で、「相手国を殲滅する、全面戦争を行う、それができる軍事力を持つ。そういったことは全く考えているものではない」とし、「憲法や国際法、日米の基本的な役割分担を逸脱するような議論は行うつもりはない。その範囲内で何ができるかを考える」と述べました。
また2月18日の衆議院予算委員会では、敵基地の概念が曖昧だと指摘された際、「敵基地攻撃能力」の呼称を変える可能性を示しました。