中国で横行する人身売買 元軍幹部「生きたまま埋められる女性も」

前回の番組で、元中国海軍司令部中佐の姚誠氏は、中共統治下の中国では女性子供人身売買が常態化していることについて語りました。本日の番組では、今注目を集めている「8人の子供の母親」事件よりもさらに悲惨なケースについてご紹介します。

元中国海軍司令部中佐の姚誠氏は、2007年から公益団体の責任者を務め、2016年に中国から脱出するまで、人身売買の被害者となった女性や子供の救済に尽力していました。その中で出会った一部の女の子がたどった過酷な人生は、姚誠氏の脳裏から離れることはないと言います。ある女の子は、幼少時に「息子の将来の嫁」として他家へ売られ、14歳で初夜を強要されました。

元中共海軍司令部中佐 姚誠氏
「その家の人はその日、自宅で宴席を準備し、彼女の服をはぎ取ると、部屋の中に入れて鍵をかけた。この女の子はとても気が強かったので、窓をぶち破って逃げ出した。厦門まで逃げたが人に騙されて売春婦としてUAEに売られた。堪えがたい話だ」

姚誠氏は、非人道的な一人っ子政策のせいで、子供が複数産まれた農村家庭が困窮し、家族が引き裂かれるという悲劇が数多く生まれたと指摘しています。

安徽省宿松県(しゅくしょう-けん)のある家には3人の女の子が生まれましたが、一人っ子政策に違反していたために、3人の実際の実質的な養育者である祖母が収監されました。その結果、孫たちの面倒を見る人がいなくなり、孫の一人が誘拐されて売られました。

元中共海軍司令部中佐 姚誠氏
「(その子は)ある村に売られた。13歳の時にその家に売られた。夫は40代の男で、子供を一人産んだ。(子供の)目が感染したが治療を受けられなかったため失明した。その村は、結婚できない男が多いため『光棍村(独身の村)』と呼ばれ、夫は1回20元(約360円)で、彼女に50人以上の男の相手をさせた。中には60過ぎの男もいた。その女の子は14~15歳だったが、言葉や肉体的な虐待を受け、耐えきれなくなって山に逃げた。それからは山に身を隠して草むらの中で眠り、大根を抜いて食べた」

彼女の祖母は後になって自分の孫の身の上を知り、耐えきれずに亡くなってしまいました。

姚誠氏は、中国の陝西省北部や内モンゴルでは、人身売買の被害者女性が残酷な「陰婚」の被害者になることもあると明かしています。「陰婚」とはもともと、未婚のままで死んだ若い男性を葬る際に、すでに亡くなっている女性の墓から遺体を掘り起こして、その男性の妻として一緒に埋葬することを指していました。

元中共海軍司令部中佐 姚誠氏
「多くの炭鉱では、炭鉱労働者は結婚相手を見つけにくいため、彼らが死んだあとに「陰婚」を行うという風習があった。しかし、それがいつのまにか、女の子を買ってきてその死んだ男性と一緒に生きたまま埋葬するという形になってしまった。死んだ男と一緒に、生きたまま埋められるのだ」

姚誠氏は、中国では今もおびたたしい数の女性や子どもが誘拐されて売り飛ばされており、それが止む兆しはないと指摘しています。『中国失踪者白書(2020)』には、中国全土で毎日約2739人が行方不明になっており、1年間で100万人を超えると記されています。

〈関連動画〉
https://www.ntdtv.jp/2022/02/55085/

 
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