中国の不動産市場が抱える負債が、地方当局の財政に深刻な影響を与える可能性があります。恒大集団、碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)、融創中国控股(サナック・チャイナ・ホールディングス)などの不動産大手が数千億円規模の簿外債務を抱えている可能性があると指摘されています。中国不動産市場の減速により、土地の売却収入に大きく依存していた地方政府は、新たな財源探しを迫られています。では、現在は何に目を向けているのでしょうか?
恒大集団の経営危機をきっかけとして、地方政府は不動産以外の収入源として、外資に目を向け始めました。
政治経済専門家 ジェームズ・ノルト氏
「地方政府は長い間、資金調達の鍵となっていた不動産プロジェクトが落ち込んできたため、代わりに外資を誘致することに熱心になっている」
上海市では11日、53件の外資系投資プロジェクトの契約式典が開催されました。総投資額は約6,200億円に上ります。
政治経済専門家 ジェームズ・ノルト氏
「先ほど申し上げたように、多くの大企業が倒産したり、少なくとも事業を縮小せざるを得なかったために、国内投資はいくぶん減少したのかもしれない」
米国のある経営学者はこうした中国のプロジェクト、特にインフラ分野に投資することは、現状では得策ではないかもしれないと指摘しています。
米サウスカロライナ大学エイケン校ビジネススクール経営学教授 謝田氏
「そして、それらの中国不動産企業は、負債支払いのための収益を上げるのに、より多くの圧力に直面していると思われる。なので、中国のインフラに投資するのは良いアイデアとは言えない」
しかし、ノルト氏は、長期的には中国の不動産市場は外国人投資家を惹きつける可能性が高いと考えています。中国の人口が比較的集中している大都市では、不動産分野が長期的な投資に適しているとの見方があります。