米中関係の溝は埋まる気配がありません。
中共外交部は2月21日、米企業2社に対する新たな制裁措置を発表した。しかし、制裁措置の詳細については明らかにしていません。
制裁対象となった企業は、航空宇宙・防衛関連のロッキード・マーチン社とレイセオン・テクノロジーズ社です。今回の制裁措置は、2社が台湾への武器装備品の売却を決定したことを受けたものです。
中共政権がこの2社に対して制裁するのは、今回で少なくとも3回目となります。
2月7日、米国防総省は台湾に対して総額約1億ドル(約115億円)相当の武器売却を行う計画を発表しました。
米国が1979年に定めた台湾関係法には台湾の自衛力向上を支援すると明記されており、武器売却は同法に沿ったものと見られます。
今回の台湾への武器売却について、中共外交部の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は、中国の主権と安全保障上の利益を損なうとし、「侵害行為だ」と非難しました。また、汪文斌報道官は、制裁措置は「反外国制裁法」に基づくものであるとしています。制裁措置はいつ発効するのか、制裁の内容などについては現時点では明らかされていません。
中共政権は台湾を自国領土の一部とみなしており、米国による台湾への武器売却を繰り返し批判しています。
2019年と2020年にも、中共はロッキードとレイセオンに対する制裁措置を発表していました。しかし、当時も制裁の詳細については明らかにしませんでした。
近年、大量の中共軍の戦闘機が台湾の防空識別圏への侵入を繰り返しています。また、経済力を用いて他国に台湾との関係を断絶するよう働きかけています。