中国では「鎖につながれた女性」や「檻に入れられた女性」など、人身売買の被害者が後を絶たず、民衆の怒りもますます高まっています。中共公安部は先日、「人身売買撲滅行動」への着手を発表しましたが、民衆からは冷ややかな声が聞こえてきます。
中共公安部は、3月から年末までの間、女性と子供の誘拐に対する撲滅行動を推進すると発表しました。これは人身売買人を摘発し、被害者の女性や子供を救出し、人身売買人から彼らを買った者を罰するというものです。
しかしネットユーザーらは「公安部に騙されるな。彼らは人身売買人の庇護者だ。彼らと人身売買人はグルだ」「またもや庶民の命を奪う機会が…これは売春取り締まりのように見えて、金を得る絶好のチャンスだ」などと投稿し、公安部の発表に疑問を呈しています。
中国の元警察官の董広平氏
「人身売買は中共が組織的に行っている不法活動だ。彼らのすべての派出所、計画出産委員会、末端幹部、民政局などはどれもそこに関わっている。彼らが取り締まるのは、その中の本当に小さな一部だけだ。取り締まりにはたくさんの費用がかかるからだ。中共の警察がそこに金を使うことはないのだ」
米国に拠点を置く人権団体「中国婦権(Women’s Rights in China)」の代表、張菁(ちょうせい)氏は、彼らが2009年に中国で「反人身売買」プロジェクトを推進した時、中共公安部も同時に人身売買取り締まり特定活動を推進しましたが、当時解放された被害者の数は全体の0.9%だったと述べました。
人権団体「中国婦権(Women’s Rights in China)」 張菁代表
「いっときのブームが去って、特定の活動が下火になったらそれで終わりだ。何もなかったことになる。人身売買の被害者は日増しに増えている。だから現在の中国の問題はここにある」
中国の元警察官の董広平氏
「彼らは毎年1つか2つの非常に特殊な事件にしか関わらない。あるいは彼らがプロパガンダとして世間に公表したい事件がある場合は、それを引っ張り出してきて公表する。ほかには、簡単にけりが付きそうなもの、すぐに調査ができそうなものには着手する。彼らにそれらの事件を処理させたいと思っても、ほとんどの事件を彼らは立件しない。処理しないのだ」
ネットユーザーからは、「中共の言う『人身売買取り締まり』とは単に、彼らが社会で構成している犯罪を隠匿するために行う、『泥棒が泥棒を捕まえろと叫んでいるような』演技でしかないのだ」といった声や、「意味のないことはやめてほしい。先ずは、徐州豊県の鎖につながれた女性を救出してからの話だ」といった厳しい声が上がっています。
「鎖につながれた女性」とは、豊県の8人の子供の母親のことで、首を鎖につながれてみすぼらしい小屋に20年以上も閉じ込められていました。この事件が1月末に発覚すると、世間からは強烈な非難の声が沸き起こりました。中共統治下の人身売買の氷山の一角が明るみに出た事件だったとも言えます。3月1日、陝西省榆林市で今度は「檻に入れられた女性」が見つかり、山西省佳県では入口直径50cm、深さ150cm、奥行き230cmの地下の穴に6年閉じ込められていた「地下室の女性」ことが明らかになりました。民衆からも怒りの声が上がっています。