徐州市で起きた「鎖につながれた女性」事件に多くの民衆から怒りの声が上がりましたが、当局は世論を厳しく統制しており、庶民が国内で異議を唱えることが日増しに難しくなっています。しかし、海外の共産党脱党サイトではこのところ、大量の脱党宣言が相次いでおり、この「鎖につながれた女性」事件によって中共の本質を理解し、脱党や退団を決意したとの声が多く寄せられています。
「私は一人の女性だ。『8人の子どもを持つ鎖につながれた女性』が舐めた辛酸を知り、言葉では言い表せないほど彼女のことが気にかかる。政府と法執行部門は、庶民に信頼できる真実の説明をし、犯罪者を処罰してほしい」「江蘇省の調査チームが出した結果に我々は大いに失望した。彼らはこんなにもあからさまに庶民を愚弄している。中共の邪悪で恥知らずな本性も暴露されたのは疑いようもない」。これは、河北省の劉美芳さんと王天保さんが、2月27日に脱党サイトに発表した脱党宣言です。
同日、黄文婷さんをはじめとする11人の実業家も次の声明を発表しました。「我々の中には徐州に行こうと考えている人もいた。だが現在、徐州の女性人身売買の件に非常に立腹している。そして今、11人全員が学生時代に入った中国共産党青年団と少年先鋒隊からの脱退を宣言する。中共が崩壊しなければ、庶民がビジネスを行うのは無理だ」
2月28日、黄友金さん、孫明華さん、王海洋さんが次のように共産党脱退を宣言しました。「徐州豊県の人身売買被害者の女性の話はあまりにも残忍で信じがたいものだ。これは特殊なケースではなく、数万人もの女性が徐州に売られ、非人道的な扱いを受けている。中共当局はそこに深くかかわっているため、彼らが何度発表しようが、そこに真実はない。共産党が消えない限り、真実は分からないのだろう」
徐州で発覚した「鎖につながれた女性」事件は、中国の庶民の怒りを大いにかきたてました。当局は現在、この件に関する投稿の削除や現地の村の封鎖、不当な拘束、世論の統制に躍起になっています。
しかし、中共は海外の脱党サイトに手を出すことはできません。最近急激に増加した脱党宣言には必ず「鎖につながれた女性」に非常に憤っており、中国共産党には徹底的に失望したといった内容が記されています。例えば、「我々は邪悪な中国共産党から脱党し、歴史上もっとも邪悪な魔教と手を切ることを宣言する。この行動によって、徐州の鎖につながれた女性のために『自由を返せ!』と何度でも声を上げる」といった宣言です。
中国の楊さん
「ウィーチャットのモーメンツの中でもみんな発言している。モーメンツを使っている人の中には、通常は人のことに関わらないし何も声を上げない人もいるが、今回はたくさんの人が声をあげ、罵倒している。彼らが罵っているのはあの女性を閉じ込めていた男だ。現在は間違いなく現地政府がこの件を管理しているはずだ。江蘇省の調査報告は嘘だらけで、全く説明になっていない」
鎖につながれた女性事件が1月末に明らかになった当初から、庶民の間では人身売買が関わっているのではないかとささやかれていました。徐州の現地政府は調査報告を4回発表しましたが、最初は人身売買を否定したものの、最終的には人身売買が関係していることを認めるなどし、内容は二転三転しました。その後、江蘇省の調査チームが5回目の報告で、「鶴の一声」を発しましたが、庶民は真相が闇に葬られるのではないかと疑いを持っています。
カナダ在住の中国人作家 盛雪氏
「この女性の事件は最初から最後までどのポイントにおいても、実際には中共の暴政というこの体制を指している。この女性はいったい誰なのか。どこから来たのか。なぜ人身売買の被害を受けてしまったのか。そして発見された今も自分の家族の待つ家に帰ることができないのはなぜか。すべてのポイントにおける実際の黒幕は中共なのだ」
中国の民衆は、全国にはまだまだ人身売買の被害者女性がたくさんいると明かしています。しかし、地方政府が放置しているため、人身売買人が大っぴらに活動しています。
徐州在住の呉継新さん
「河南省の陳文恵さんのケースを見てほしい。彼女の妹は北京でアルバイトをしていたが、誰かにさらわれて山西省に売られた。現地のマフィアがどれだけ好き放題やっているのかというと、人の家に押しかけてドアを壊して子供を奪うと、大声で『政府がやれないことでもオレはやれるぞ!』と宣言し、そのまま子供をさらっていったのだ。別の人が不服を申し立てようとしてもさせない。これは河南省信陽市の話だ」
中共高官はできるだけ早く世論の鎮静化を図ることしか考えていないと多くの庶民は考えており、非常に不満を募らせています。
中国の胡さん
「私の母方のおじが江蘇省揚州市に住んでいる。あの事件が明るみに出たときに、私はおじに『おじさんは江蘇省のあの鎖につながれた女性の事件を見ていないのか?』と訊ねた。するとおじは、今は状況が違うと言った。だから私は、状況が違うだなんて言わないでくれと言った。『これは全部、あなたたち共産党幹部がやったことだろう、違うか?すべての村に党支部があり、村の書記はあなたたち共産党員だろう?あなたたちはいったい何をしているのか?あなたたちは全員、迫害に参与しているじゃないか!』共産党は毎日のように、中国の人権は米国より5倍恵まれていると言っている。よくそんなことが言えるものだと言った」
カナダ在住の中国人作家、盛雪氏は、「鎖につながれた女性」事件が呼び覚ましたものは人間性だと指摘しています。中国の民衆は徐々に、もしこのような犯罪を見逃してしまったら、自分自身が次の被害者になる可能性があると分かってきた、だから中共を捨てる選択をする人が増え続けているのだと同氏は考えています。