ロシアのウクライナ侵攻に対し、各国が次々と経済制裁を発動しており、ロシアのプーチン大統領も反撃を開始しています。ロシア政府が発表した「非友好国」リストには、欧米諸国のほかに台湾の名前が意外な形で上がっています。また、ロシアメディアが台湾に言及した際に、「台湾は中国の領土とされているが、1949年以降は独自の政府が統治している」とわざわざ注釈をつけたことが、海外からも大きく注目されています。ロシアは台湾を主権国家、独立国として承認していたのでしょうか。
ロシアのウクライナ侵攻は国際社会からの反発を招き、各国は続々と経済制裁を発動しています。ロシアはこれに対し反撃を開始し、非友好国リストを発表しました。
ロシアメディア「タス通信」は、非友好国リストには米国、カナダ、欧州連合、英国、日本、韓国、ニュージーランド、豪州などが挙げられており、リストの最後に台湾の名前もあると報じました。
しかしよく見ると、末尾には「(台湾は)中国の領土であるとみなされているが、1949年からは独自の政府が統治している」との注釈がついています。
また、国名の蘭には「中国」ではなく「台湾」と表記されています。このことは、ロシアが台湾を主権国家だと認めていることに他ならないのではないでしょうか。
中華民国 趙天麟立法委員
「ロシアはこのようなリストを公開しただけでなく、台湾は中国の一部ではあるけれども、自分たちの政府によって統治していると注記まで行っている。一番赤面しているのは中華人民共和国ではないだろうか」
蘇貞昌中華民国行政院長
「台湾が一つの国であることは、世界中が知っている。中共だけが政治的な発言、政治的な行動をとっているだけだ。一部の国は彼らの気分を壊さないよう、あいまいな態度を取っている。だから多くの国は行動においても発言においても時折、真実に対する認識と態度が表に出てしまう」
台湾基進党所属の元立法委員の陳柏惟(ちん・はくい)氏は、「台湾は独立させられたばかりなのか?」「2022年3月7日はロシアから独立を承認された記念日だとウィキペディアに書き込むべきだ」と投稿しています。
また、非友好国にリストアップされた海外の債権者、ドイツ企業と国民は、一時的に「ルーブル」で債務を返済することができるうえ、非友好国の企業と個人とのビジネス協議は、ロシア政府委員会の同意を取り付ける必要があるとしています。
中華民国外交部 欧江安報道官
「我々は、ロシアとウクライナの戦争が台湾に与えるいかなる悪影響も最低まで下げることができる。ロシアのこの発表が我が国の経済、貿易全体に与える影響は限定的であり、国民は心配しないでほしい」
台湾外交部は、ロシアが発表したこのリストは、主にロシアが国際社会から制裁されても金融秩序を安定的に維持することができるよう保証するためのもので、台湾の経済全体に与える影響は限定的だと述べました。
いっぽう、ロシアがわざわざ中共と台湾を分けて表記したことで、意外にも台湾が正しい名前で呼ばれることになりました。