CCTV パラ開会式の反戦スピーチ検閲 IPCが説明要求も返答来ず

中国共産党政権は、国際パラリンピック委員会(IPC)の会長によるウクライナ侵攻への抗議を示したスピーチを検閲しました。

3月4日に行われた北京冬季パラリンピックの開会式で、IPCのアンドリュー・パーソンズ会長は、ロシアのウクライナ侵攻を強く非難し、「五輪休戦決議」の尊重を訴え、「21世紀は戦争や憎しみではなく、対話と外交の時代である」、「世界で起きていることに恐怖を感じている」と述べました。

しかし、パーソンズ会長のスピーチの中継中、中共の官製メディア・中国中央電視台(CCTV)は音量を下げ、また戦争を非難する部分の中国語への通訳がされませんでした。

IPCの広報担当者は、CCTVに説明を求めているものの、現時点では返答が来ていないといいます。

しかし、中共当局によりウクライナ情勢を巡る意見が規制されたのはパーソンズ会長のスピーチだけではありません。CCTVは先週、イングランドのプレミアリーグとドイツのブンデスリーガの試合中継を取りやめました。両サッカーリーグでは、試合前にウクライナ国旗が掲揚されるなど、ウクライナへの支持を表明する動きが広がっています。

中共当局は、ロシアへの抗議の声を押さえ込む狙いがあるものと見られます。ロシアのウクライナ侵攻を受け、IPCはロシアとベルラーシの選手の北京パラリンピックへの参加を認めないと発表しました。しかし、中共の官製メディアではそのことが報じられておらず、また中国のソーシャルメディア上でも検閲されています。

 
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