ロシアによるウクライナ侵攻に関連し、中国共産党政権による台湾侵攻への懸念が広がる中、最近台湾は軍事訓練を実施しました。先日、中共軍が今秋にも台湾侵攻に踏み切る予定であったとの内容が記載されたロシアの機密情報とされる文書がインターネット上で公開されたこともあり、台湾は防衛力の強化を急いでいます。
3月16日、台湾は最北端の島で軍事訓練を実施しました。訓練が行われた東引島は、中国・福建省の沖合いに位置します。
この情報は台湾の軍事通信社が公開した映像によるものです。
映像では、兵士たちが赤い十字架を的として、実弾演習を実施しています。
東引島周辺では機関銃や大砲の砲声が響き渡っていました。
台湾当局は、東引島での軍事訓練について詳細を明らかにしませんでした。東引島は、1950年代から台湾の防衛範囲の最前線となっています。
ロシアがウクライナに侵攻して以降、中共政権が台湾に対して同様の行動をとる可能性があるとして、台湾での緊張が高まっています。
10日、ロシアの情報機関・連邦保安局(FSB)の内部告発者により、インターネットのサイト上で、同機関の機密情報が記載されているとされる報告書が公開されました。
報告書によると、習近平氏が「少なくとも今秋には台湾への侵攻を検討している」とされています。
習近平氏の台湾侵攻の目的として、今年秋に控える中国共産党第20回全国代表大会で、3期目入りの確実性を高めるためだとしています。
中共政権は、台湾を自国の領土の一部であると主張しています。しかし、台湾は独自の憲法を有しており、民主的に選出された総統がいます。
台湾の呉釗燮(ご しょうしょう)外交部長は、ロシアの機密報告書の真偽は定かではなく、現在台湾の情報機関が調査しているとし、台湾への攻撃の有無に関係なく、中国の行動に注視しており、常に防衛の準備をしておく必要があると述べています。
今週、中共当局は米政府の台湾への武器売却に断固として反対すると表明しました。台湾が米国から最新型の軍事通信システムを購入したとの報道を受けたものです。
台湾には2300万人の人々が住んでおり、中国の東海岸からわずか150kmのところに位置しています。