本日の番組では、中国北部・内モンゴル自治区の現状についてお伝えします。内モンゴル自治区は南モンゴルとも呼ばれます。
2020年9月、国際的な人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、内モンゴル自治区では、義務教育9学年の数教科の指導をこれまでのモンゴル語から中国語へ切り替える言語政策に反発し、大規模な抗議活動が発生しました。
中共当局が推し進める民族同化政策に対するこのような抗議活動は稀です。
しかし、それから2年後、現在の状況はどうなっているのでしょうか。
今年3月、習近平総書記は内モンゴル自治区代表団に対し、民族同化政策を強化するよう指示しました。
また、中国国内を「不安定化」させる可能性のあるものに対して、「ゼロ・トレランス(不寛容)」方針を取ると強調しました。
内モンゴル自治区では、中共当局による弾圧の結果、多くのデモ参加者が圧力に屈しました。
現在、内モンゴルの学生にとって、選択肢は少なくなってきています。モンゴル語で教育を受けると、中国での高等教育への進学や就職が困難になります。
チベット自治区や新疆ウイグル自治区においても、同様の同化政策が展開されており、ほとんどの学校では民族言語に代わって、中国語での教育指導が行われています。
また、中共当局は民族同化を推し進めるため、宗教的慣習への抑圧や民族衣装の禁止などの政策も展開しています。
現在、少数民族に対する新たな言語政策の下で、400万人以上(420万人)のモンゴル人が暮らす内モンゴル自治区では、小学校から中学校までの3教科で、モンゴル語に代わり中国語で授業が行われるようになりました。