本日の番組では、現在は既に破産している中国のエネルギー複合企業「中国華信能源(CEFCチャイナ・エナジー)」を紹介します。
中国華信能源は、中国共産党の国内産業に対する締め付けにより、2020年に破産を宣言するまでは、国内最大級の企業でした。同社は、石油で世界的なビジネスを展開し、金融サービスも提供していました。
また、米フォーチュン誌が発表した2016年の「グローバルトップ500社」のランキングでは、222位にランクインしました。
創業者であり会長であった葉簡明(よう・かんめい)氏は、かつては中国メディアから「中国のロックフェラー」とまで騒がれていました。
華信能源は、民間企業でありながら、多くの中共軍の軍人や香港の元高官を幹部として雇っていました。
また、同社は中共政権が掲げる広域経済圏構想「一帯一路」に深く関与していました。華信能源の総裁、姜明生(きょう・めいせい)氏は、2018年に放送された中国のテレビ局「貴州衛視」のインタビューで、同社の海外事業は中共の戦略目標に従っていると認めました。
中国華信能源総裁 姜明生氏
「私たちは民間企業ですが、政府の政策に忠実に従い、国家の戦略的利益に貢献する必要がある」
「華信能源は『一帯一路』構想の機会を掴み、国家戦略に奉仕し、自らの責任として取り組む。ここ数年、華信能源は、中央アジアや中東で実にうまく戦略を実行している。これらの行動はすべて、政府の戦略やエネルギー安全保障に貢献し、国家エネルギー供給を保証するためのものだ」
インタビューの中で、葉簡明氏は2017年にロシア国営石油大手ロスネフチの株式14%を購入したと述べており、華信能源はロシア政府、英石油大手BPに次ぐ、ロスネフチの3番目の大株主となりました。
しかし、葉簡明氏は、2018年に中共の規制当局の取り調べを受け、横領の罪で起訴されました。そして華信能源は2年後に破産しました。それ以来、彼は公の場に姿を見せていません。