複数の中国国営エネルギー大手企業は、中国の石油・ガスの主要サプライヤーであるロシアによるウクライナ侵攻後、数十億ドル規模の対ロ投資への評価を迫られています。
これらの中国企業は、ロシアへの国際社会からの経済制裁が強まる中、巻き込まれることを懸念しているとされています。
これは、この問題を知る情報筋の話として、ロイター通信が報道したものです。
これらの中国企業は、中国石油化工集団(シノペック)、中国石油天然気集団、中国海洋石油集団の3社です。
ここでは、これら3社の主な投資案件をご紹介します。
「アークティックLNG2」は、ロシアのガス大手ノバテクが主導する天然ガスの開発・液化事業「LNGプロジェクト」の一つです。
中国石油天然気集団と中国海洋石油集団は、2019年に250億円以上かけてノバテックの株式を合わせて20%購入しました。
ノバテクが運営するガス企業「ヤマル」は、北極圏ヤマル半島に拠点を置いています。
2014年、中国石油天然気集団がヤマルの株式を20%購入しており、中国国有投資ファンドであるシルクロード基金も10%近い株式を保有しています。
ガスケミ複合施設である「アムール・ガスケミカル複合施設」も中国からの投資を受けています。
シノペックは、ロシアの石油化学最大手シブールの株式の40%を保有しています。
またサハリン3(スリー)は、中国にとってロシアでの初めてのエネルギープロジェクトです。
2005年、ロシア国営石油大手ロスネフチとシノペックは、この鉱区の共同探鉱プロジェクトを行うことで合意しました。
北京市のガス供給事業を管轄している北京熱気集団(北京ガス)もロシアのエネルギー投資を行っています。
同社は10億ドル以上を支払い、東シベリアで石油・ガスを生産しているロスネフチの子会社ベルフネチョンスクネフテガスの株式を20%購入しています。