上海の高齢者施設で感染が拡大 死者多数も当局は隠匿

上海で継続されている「封鎖管理ゼロリセット政策」によって、深刻な二次災害が発生しています。支援物資が届かず、多くの住民は手元の食糧が尽きようとしています。このほか、乳幼児は両親から引き離されて単独で隔離され、高齢者の死亡者数は当局から隠匿されているため、民衆から怒りの声が上がっています。

上海市宝山区大場鎮に住む劉さんは、同僚7人とともに社員寮に住んでいますが、封鎖管理が1か月以上続き、支援物資もまったく届いていないため、すでに2日間何も食べていません。

上海の劉さん
「封鎖管理から1か月が過ぎた。我々の職場はインスタントラーメンを数箱支給したが、それはとっくに食べてしまった。電話をしても誰も出ない。誰も助けてはくれない。弁当は一食28元だ。一日三食だと高くて買えない。プラットフォームでは毎日朝6時に野菜の奪い合いだ。結果、何も手に入らなかった」

楊浦区に住む譚さんは、4月1日に封鎖管理が始まって以降、一家4人はすでに2日間何も食べていないと明かしています。

上海の譚さん
「もう食べ終わってしまった。私たちが買った物資は5日までしか持たなかった。今日は7日だ。うちの冷蔵庫にはニンジンが半分残っているだけで、水道水を飲むしかできないが、飲むと胃が痛くなる。居民委員会、110と市のホットラインに電話したが誰も出ない。全然通じない」

また「封鎖管理ゼロリセット政策」は、PCR検査で陽性となった乳幼児にも大きな苦しみを与えています。上海市公共衛生臨床センターでは、単独隔離された乳幼児に対し、保護者の付き添いが認められないという事実が発覚し、世論から大いに注目されています。保護者が抗議した結果、PCR検査で陽性となった保護者の一部が子供への付き添いを認められましたが、保護者の中には子供に付き添うため自分も陽性者になろうと、子供が使ったものを舐めて自分を感染させた人もいます。

現在、このセンターには約500人の子供が隔離されていますが、約半数の子供は保護者の付き添いがありません。乳幼児の隔離条件も改善されていません。

上海の王さん
「ここはめちゃくちゃで、非常にお粗末だ。仮設病院と同様に医療ではない。みんな外来病棟にベッドをぎちぎちに並べている。看護師はそもそも忙しすぎて子供の面倒を見切れない。多くの子供たちは親の付き添いがなく、床に座ってその辺をハイハイしている。服も少ししか着ていない」

上海では中共ウイルスの感染が広がっていますが、現時点で当局は感染死亡者の数を発表していません。

内部事情に詳しい人物は4月7日、上海東海高齢者看護病院で多くの老人が感染して死亡したと明かしました。当局はこの事実を隠匿し、高齢者の家族に火葬に同意するよう要求しています。一部の家族は火葬を拒否し、病院の責任を追及しようとしています。

上海市民の黄建さん
「たくさんの人が死んだ。看護職員は入れ替わりが激しく、誰もやりたがらない。(家族が)看護師と連絡を取っても、看護師も本当のことはしゃべらない。事実を話したらこの看護師はクビになる。彼らは外部に話を漏らす人を処分してきた。あなたたちに知らせる方法はない。メディアさえも知らないことだ」

家族らも、封鎖管理が行われているために外出できません。一部の家族は、遺体の火葬許可を出すと感染症対策に関する責任追及の際に不利になるため、許可していません。

事情を知る人物はツイッターに、このケア施設では4人から6人の高齢者が一つの部屋に住んでおり、交差感染が起きてからは誰も面倒を見なくなったと明かしました。また、陽性の遺体の数は30から40になるはずで、陰性の遺体の数は不明だとして、実際の状況はもっと深刻だろうと指摘しています。

 
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