経済学者郎咸平氏の母親 上海の救急室の外で死亡

中国で活動している台湾出身の経済学者、郎咸平(ろう かんへい)氏の母親が4月11日、治療が遅れて救急室の外で死亡しました。

情報によると、上海在住の郎咸平氏の98歳の母親が11日午後、病院の救急室の外でPCR検査の結果を待っている間に亡くなりました。

郎咸平氏も自身の微博アカウントを通してこのことを認めました。

郎咸平氏自身は、居住区が閉鎖されているため、関連部門の許可をもらうのに時間がかかり、ロックダウンでタクシーを拾えず、母親の最期を看取ることができなかったといいます。

郎咸平氏によると、母親は腎機能が少し低下しているだけで、本来なら注射を1本打てば治る症状だったといいます。しかし、病院のPCR検査の結果が4時間以上経っても出なかったことはかなりショックだったと述べています。

郎咸平氏は「公的なリソースを使って私的なことを話したくない」とし、「兄が先にこのことを公開したため、状況を説明しただけだ」としています。

郎咸平氏の微博アカウントには、「上流階級の人間でさえこれなら、一般人がこんな状況になったらどれだけ絶望的で無力か想像できるだろう」「老人と子供を守るといいながら、実際には老人と子供が犠牲になっている」などと、多くのネットユーザーがコメントを残しています。

また、親中共派として知られる郎咸平氏が、母親が亡くなっても当局を批判しようとしないことに対し、「母親が亡くなっても、郎咸平はとても理性的で、愛国的だ」「彼の母親がもし、上海ではなく台湾に住んでいたら、どうなっていたのだろうか」などの辛辣なコメントも見られています。

台湾生まれの郎咸平氏は、1983年に米国に留学し、博士号を取得しました。1994年に台湾国籍を放棄し、香港の永住権を取得しました。2000年以降は活動の場を中国本土に移し、多くの経済評論番組に出演し、経済学者として知られています。

 
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