米Apple社は「iPhone」生産において困難に直面しています。
Apple社の主要サプライヤーの工場が、上海市での事実上の都市封鎖(ロックダウン)を受け、生産の中止を余儀なくされています。
iPhone生産の委託先である台湾の和碩聯合科技(ペガトロン)は今月12日、中国東部・上海市と江蘇省昆山市にある工場の操業を停止したと発表しました。
これら2か所の工場はペガトロン社の唯一のiPhone組み立て拠点であり、同社はiPhone生産の約2〜3割を担っています。
ペガトロン社によると、再開のめどは中国当局の承認を得られるかに左右されるとしています。
また他にも、アップルのMacBookの製造を手掛けている、台湾の広達電脳(クアンタ・コンピュータ)も上海でのロックダウンにより、1日から上海工場の稼働を停止しています。
クアンタ社の委託元としては、Appleの他にも、Dellやヒューレット・パッカード(HP)などがあり、 クアンタ社のノートパソコン生産の約2割を上海の工場が担っています。
中共ウイルス(新型コロナ)感染拡大の影響はペガトロン、クアンタにとどまりません。
12日、独自動車部品大手ボッシュも、上海市と吉林省長春市の工場で生産を停止したと発表しました。上海と近隣の太倉市にある工場では、従業員を外部との接触を遮断する「クローズドループ」式の運営方法に切り替え、操業を維持するとしています。
上海当局は11日、新規感染者が2週間確認されていない7000以上の居住区を「低リスク」地域に分類し、ロックダウン規制を緩和したため、都市人口の約2割が、制限付きで外出が可能となりました。
しかし、同地域に居住する人々の移動は、未だに市内や近隣地区に限られており、上海を離れることは禁止されています。また移動範囲が明確に示されておらず、人々の混乱を招いています。
現在、上海の多くの地域では各行政区からの外出許可を待っている状態です。
ある住民は、外出許可を得てからスクーターに乗るために家を出たが、その後すぐに、当局者からもう乗ってはいけないとの警告を受けたといいます。