SOS動画が後を絶たない 都市封鎖の上海で苦しむ市民

上海では、都市封鎖とゼロリセット感染症対策が市民の生活を困難にしています。食糧や医薬品が尽きてしまったと、多くの市民がインターネットで訴えています。仮設病院のスタッフも家に帰りたいのに帰れないとして、動画を投稿して助けを求めています。

上海市宝山区のある家庭では乳児が高熱を出しましたが、手を貸してくれる人はいません。子供の母親は当局に人としての心はないのかと怒りをあらわにしました。

高熱を出した乳児の母親
「私は熱を下げるために病院に行きたいと言っているだけなのに、あなたたちは私に家から出るなと言う。早く早くと言うが、何が『早く』なのか?私の子供が最速で病気になればよかった、そういう意味なのか?」

「あなたたちには人としての心はないのか?居民委員会は、誰も出てこない。これが庶民に対する態度なのか。私は7時からここにいて、今は9時過ぎだ。それなのに、相談に乗ってくれる人は誰も出てこないし、どうしたらいいのか話しに来る人もいない。ただ私を家に帰らせようとするだけだ。いつになったら終わるのか。私の子供の命は命ではないのか?子供はまだ2歳だ。私を帰らせたら子供はどうなる?子供はすでに私たちと長い時間接触している。私たちは2日前から症状が出ているのに。たとえ私を病院に行かせるにしても、1つくらいまともな解決策を出してくださいよ」

別の動画には、この日の午前2時半ごろに、この母親と思われる人物が絶望しきった様子で各戸のドアをノックして、子供を救うための唯一の希望である解熱剤を探し求めている音声が残っています。

高熱を出した乳児の母親
「こんばんは、誰かいますか?私は305(の住人)です。ちょっとお伺いしたいのですが、解熱剤はありますか?私の子供が熱を出してしまって。ご在宅ですか?ご迷惑をおかけしてすみません」

「子供が40℃の熱を出してしまいました。120番に電話しましたが、300人が順番待ちをしているというのです。もうどうしようもありません」

「居民委員会にも(電話を)かけました。ですが彼らもどうしようもない、薬はないと言うのです」

母親の訴えに多くのネットユーザーが心を痛めています。

上海市嘉定区(かていく)馬陸鎮のある男性はすでに手持ちの食べ物が尽きてしまい、同居の老人は空腹で倒れているといいます。男性は万策尽きて政府部門に助けを求めました。

上海市嘉定区馬陸鎮の住民
「私と同居の老人は、1日中白湯しか飲んでいない。食べ物はまったく口にできていない」

居民委員会
「我々にもどうしようもない。上層部に報告するよりほかに何もできない」

上海市嘉定区馬陸鎮の住民
「老人はすでに空腹で倒れている。飢えてしまって起き上がることもできなくなった。こんな様子では本当に命に関わる。何とかしてもらえないだろうか」

上海市嘉定区馬陸鎮の住民
「食べ物を手に入れる方法を考えてほしい。金を払ったってかまわない」

「私たちは居民委員会や村の委員会、馬陸鎮政府にも連絡した。だが誰も相手にしてくれない」

居民委員会
「今は何を買うにも争奪戦だ」

上海市嘉定区馬陸鎮の住民
「私たちは毎朝5時40分に目覚まし時計を鳴らして起床して、6時になると注文し始めるが、食べ物は全然注文できない」

居民委員会
「実を言うと、私自身も力が尽きた」

当局のゼロリセット政策によって、飢餓に苦しんでいるのは庶民だけではありません。感染症対策関係者も追い詰められています。

仮設病院のスタッフ
「この給料を受け取りたい人、この仕事の報酬を受け取りたい人は、言うことを聞くことだ」

仮設病院のボランティアたちは、家に帰りたいが帰ることはできないと不満を漏らしています。あるネットユーザーは、これはまさに、大昔の陵墓の修繕の時の待遇と同じだと驚いています。

仮設病院のボランティア
「ここに来る前は私たちに、病院の外でやる仕事だと言っていたのに、今は私たちに中の仕事をさせる。一日十数時間もだ。私たちは中の仕事はしたくない。家に帰りたいが、帰れない。今日は通報の電話と市のホットライン(12345)に電話をかけたが、何の役にも立たない。私たちはここに閉じ込められて、すでに何日も過ぎた。ここから出ることができないし、家にも帰れない」

 
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