1972年から今月16日で50周年を迎えた中国共産党の対米「パンダ外交」。中共政権がパンダを利用して自国のイメージアップを図る狙いとは裏腹に、米中央情報局(CIA)のウィリアム・バーンズ長官は14日、ジョージア工科大学での演説の中でウクライナに侵攻したロシアへの非難を避けている中国について、「プーチンによる侵略のサイレントパートナー」だと批判しました。また、 中国共産党を米国の諜報機関が直面する最大の挑戦だとの認識を示しました。
CIA長官 ウィリアム・バーンズ氏
「プーチンによる侵略のサイレントパートナーである習政権下の中国は、我々にとって最大の課題であり、多くの点でCIAがこれまでに直面した最も大きな挑戦だ」
バーンズ長官は、「軍事、経済、宇宙及びサイバー空間など、これほど多くの分野・領域で敵対する国は、現在非常に野心的である中国のほかにいない」と述べました。
CIA長官 ウィリアム・バーンズ氏
「中国(PRC)は、近隣諸国を虐げ、インド太平洋における”卓越した権力”として米国に取って代わり、我々が同盟国とともに懸命に維持してきた秩序を他国とともに切り崩す意図がある」
バーンズ長官はまた、中共政権の台頭に伴う問題は彼らが米国や自国民に対して彼らの影響力を行使していることだと指摘しました。
CIA長官 ウィリアム・バーンズ氏
「ここ数年、中共は少なくとも米企業150社に対してハッキングを行い、機密情報を窃取した。また千発の核弾頭の保有を目指している。さらに、イスラム教徒であるという理由だけで100万人もの自国民を拘束し、香港では平和的に民主化を支持しただけで、数千人を逮捕している」
バーンズ長官は、「我々が示す懸念は、中国の国民に対してではなく、共産主義政権に対するものだ」と強調しました。
CIA長官 ウィリアム・バーンズ氏
「我々の懸念は、中共がもたらす脅威であって、中国の国民やアジア系の米国人ではないことを明確にすることが重要です」
昨年10月、CIAは中国に対して、「21世紀に米国が直面するもっとも重要な地政学的脅威である」と位置づけ、中国専門部局「中国ミッションセンター(CMC)」を設置すると発表しました。冷戦期においてソ連に対抗したときと同様に、中国語を話せる人材の採用や中国専門家らの世界各国への派遣を増加させ、情報収集を強化させるとしています。