都市封鎖が続く上海では、生まれたばかりの乳児も両親と共に隔離されていますが、仮設病院は満床で、新生児に特別な配慮ができない状況です。
4月20日、仮設病院にいる郭さんは社会に助けを求めました。郭さんの子供は3月28日に生まれたばかりですが、今も母親とともにホテルに隔離されています。
上海市民 郭さん
「私がいま心配しているのは子供のことだ。まだワクチンを打っていない し、生まれたばかりの新生児だからだ。子供が感染したらどうなるか分からない。上海はこの感染拡大を強調しすぎている。封鎖はすぐにするくせに、食べ物は提供も送りもしない。そして病院まで閉めた。私たちにどうしろというのか」
郭さんは4月13日に陽性と診断されて仮設病院に送られました。郭さんの妻と両親は、生まれたばかりの子供を連れて自宅隔離していましたが、17日に妻と両親がPCR検査で陽性になりました。生後1か月にも満たない新生児を受け入れてくれる場所はないため、子供は感染していないにもかかわらず母親と一緒にホテルで隔離されています。
上海市民 郭さん
「子供は陰性だったが、今は陽性者と一緒にいるし、子供を病院に送ることもできない。居民委員会は役に立たない。とっくに連絡した。居民委員会の書記は病院に連絡しろと言った。病院もだめだ。今の上海で何に頼る?防疫機関にも連絡したが、彼らにもどうしようもない」
厳さんの子供も新生児ですが、中共ウイルスに感染してしまいました。
上海市民 厳さん
「4月3日に感染した。自分の居住区で感染した。恐らく、私たちが密集した場所でPCR検査を受けていたために交差感染したのだろう。我々は居民委員会によってひどい環境のところに連れて行かれた。生まれたばかりで生後20日にも満たない子供がいるのに。我々は居民委員会に助けを求めたが無駄だったので、インターネットで助けを求めている」
厳さん一家は静安区にある未完成のビルに隔離されてしまいました。
上海市民 厳さん
「この建物は外が完成したばかりで、内装などが終わっていない。それを政府が隔離スポットとして収用した。彼らは1つの建物に約2000人を収容したので、部屋はすべて埋まっている。ここは仮設病院のように一部屋一部屋に区切られているのではなく、人が密集している。だから私たちは昨日ここに来て狼狽した」
厳さん一家は4月5日に陽性と診断されるとすぐに居民委員会に対し直ちに隔離地点へ送ってほしいと申し出ました。しかし、搬送車両が遅々として現れず、厳さん一家をケアしてくれる人もいませんでした。
上海市民 厳さん
「私たちは自宅で自分で何とかするしかなかった。たくさん水を飲んだ。私たちは一日で少なくとも2.5リットルから3リットルの水を飲んだ。水を飲んだら排毒できるからだ。10日以上が過ぎて陰性になったので、私たちは行かないことにした。すると彼らは、自分たちがいい場所を手配してやろう、特別なケアの必要な子供は特別なケアをしてもらえると言った。しかし、我々は昨日この仮設病院に到着して目を疑った。まだ工事が終わっていなかったからだ。環境も悪く、こんなにたくさんの人が密集している。我々はもう陰性になっているのに、こんな場所に連れて来られた。これではまた感染してしまうのではないか」
厳さんはインターネットで助けを求め、一家は隔離用ホテルに転送されました。厳さんによると、家族全員がすでに陰性になっているのに政府は認めず、PCR検査をあと3回受けなければ隔離は解除されないとのことです。
上海市当局は4月20日にいわゆる「社会面ゼロコロナ」の実現を計画していたため、すべての陽性患者を隔離する必要があるとしています。よって仮設病院に送られる新生児は彼らだけに留まりません。
上海市民 郭さん
「私のいる隔離病院の中にも乳児がいる。やはりミルクを飲んでいる。生後どれくらいか分からないが、小さい子には違いない。まだおむつをしているから」
しかし、仮設病院は満床で、新生児に特別なケアはできない状況です。さらに、出産したばかりの母親も安心して産褥期を過ごすことができません。郭さんの妻は、自分自身の心身も疲弊しきっているが、一番心配なのはやはり、ウイルスが蔓延している場所に子供が耐えられるかどうかだと話しています。