未だ都市封鎖状態にある上海が、4月25日午後に暴風雨と雹の発生という異常気象に見舞われました。PCR検査のテントが強風で飛ばされ、白い防護服を着たPCR検査員たちも次々と風に足元をすくわれ転倒しました。
上海では4月25日午後、雨雲が立ち込めて暴風雨が発生しました。ほとんどの地区が7~9級、局所的には10~11級の雷雨に見舞われ、高さ10メートル以上の松の木が強風で根元から倒れ、一部の地域ではさらに一時的に雹が降り騒然となりました。
上海市民
「木が倒れた、風で倒れた!」
野外に設置された多くのPCR検査用テントも風に飛ばされました。
動画には、白い防護服を着た勤務中の感染症対策員も風にあおられてバランスを崩して地面を転がり、立ち上がってもまた足をすくわれている様子が撮影されています。
粗雑な作りの仮設病院ではあちこちで雨漏りが発生し、雨水が床を流れました。
上海市民
「上海で暴風雨が発生した。ひどいことになっている」
上海市金山区では、突然雹が降りました。
上海市民
「雹だ。見てみろ、雹が降ってきた」
空には雷の音が鳴り響き、稲妻が走りました。
上海市民
「撮れた?」
「撮れた」
上海の異常気象のニュースと、「白い防護服の職員」が風に飛ばされる動画はインターネットに拡散され、大きな注目を浴びています。
ある市民は、「この天気は尋常ではない。天の神様が上海の魑魅魍魎(ちみもうりょう)を片づけに来たのではないか」と投稿しています。
別の市民は、異常気象の下でも当局はいまだに多くの地域で全市民PCR検査を行っているが、これは感染症対策員と住民の安全を軽視しているのではないかと疑問を述べています。
上海の都市封鎖に多くの市民が怒りを抱いています。4月24日、上海のある居住区の住民は隔離壁を押し倒して、封鎖を自力で解除しました。
4月23日、上海市閔行区(びんこうく)の住民が集団で抗議活動を起こし、感染症対策員との間で衝突が発生しました。
4月24日、上海のある居住区で、人が二人何者かに殴られて道路に倒れているのが見つかりました。一人は青色の防護服を着用し、もう一人は左腕に腕章をつけており、警察官か警備員とみられます。
また別の動画には、浙江省から上海市に派遣された支援スタッフが満足な応対を受けられず、生活に必要な最低限度の環境すら整えられていなかったため、緊急援助を求めている様子が撮影されています。
浙江省から上海市に派遣された支援スタッフ
「ああ、この問題は非常に深刻だということが分かった」
「トイレに行くために外へ出ることもできない。我々ドライバーも含め、医療スタッフは毎日紙おむつを使っている。毎日必要だ」
「水分の摂取も控えているが、飲まないわけにはいかない。紙おむつ1枚に吸収できる量は限られている。この量を超えたらズボンの裾から(尿が)伝って、床に流れる」
「一部のチェックポイントのスタッフの態度は本当にひどい。私は昔、上海に対しとてもいい印象を抱いていた。だが今回ここにきて数日過ぎてみて分かったが、本当に…ああ…」