林芳正外相は今月23日、エマニュエル駐日米大使とともに、日本周辺海域に展開中の米海軍の原子力空母「エイブラハム・リンカーン」を視察しました。インド太平洋地域における影響力を強める中国や核実験を繰り返す北朝鮮を念頭に、日米の連携強化をアピールした形となります。
林大臣はエマニュエル大使とともに艦上で記者会見を行いました。
林芳正外務大臣
「日本の防衛力、これを抜本的に強化するということを含めて、日米同盟の抑止力、対処力の一層の強化に向けて米国と引き続き緊密に連携を強化していきたい」
エマニュエル大使は、インド太平洋地域への侵略者は悪意を持って行動しており、平和と安定、そして日米両国が持つ価値観を脅かしているとの認識を示しました。
ラーム・エマニュエル駐日米大使
「彼らは力の行使により支配しようとし、自分たちの考えを押し付け、同地域を一個人の独裁に服従させようとしている。私たちは、世界中のパートナーや同盟国とかつてないほど団結し、戦争に反対する声を上げ、平和のために立ち上がっている」
ウクライナ情勢を巡っては、ロシアによるウクライナ侵攻が、中国の台湾への武力行使を誘発するのではないかという懸念の声が高まっています。中共の台湾侵攻は、日本への影響を及ぼすおそれがあります。
台湾有事のほか、近年では中ロ両国の軍隊による日本周辺で実施される共同訓練など、両国が進める軍事協力に対しての懸念があります。
林外務大臣とエマニュエル大使は、艦上から飛行デモンストレーションを見学しました。リンカーン空母は今月中旬に日本海で自衛隊と合同訓練を実施したばかりでした。