中国では、共産党による宗教信仰者への迫害が続いていますが、視聴者からのリクエストに応じて、中国のキリスト教徒の現状についてお伝えします。
その前にまず、中共が任命した北京の牧師の話を、BBCのインタビューで聞いてみましょう。
BBC レポーター
「もしイエスが今生きていたら、中国共産党政権を快く思うだろうか?」
北京市海淀クリスチャン教会 呉偉慶牧師
「もちろんだ。そう思う」
このコメントは、中国における「宗教の自由」の厳しい現状を映し出しています。何十年もの間、中国の共産党政権は常に宗教を抑圧してきました。
キリスト教もその対象の一つです。共産党は、公式には無神論ですが、独自の教会を運営し、映像の中の北京の牧師のように、独自の牧師を任命しています。
その結果、当局から認可されていない教会は「地下教会」となりました。中には登録を拒否している教会もあります。政権による監視が厳しすぎて、聖書を正しく伝えることができなくなるという懸念からです。
彼らが懸念するには訳があります。
信教の自由や人権について報道するオンライン雑誌「ビター・ウィンター(Bitter Winter)」によると、過去数年間、中国全土の教会の屋根から、数多くの十字架が撤去されました。
地元政府関係者によると、十字架を撤去することによって、人々が教会を見つけることができなくなるとのことです。
多くの教会が閉鎖されただけでなく、完全に取り壊されたケースもあります。ある報告書によると、浙江省温州市だけで、1年以内に60以上の教会が取り壊されたり、または取り壊しの通知が届きました。しかし、政府公認の教会でさえ、今や新たな制約に直面しています。
中国では、全ての教会が中国共産党への忠誠を示さなければなりません。壁には宗教的なものではなく、共産党指導者習近平の肖像画や党のプロパガンダバナーを並べて飾らなければなりません。
また、教会内には監視カメラも設置され、礼拝に参加する全ての人々を記録しています。さらに、教会は宣伝をしたり、公に新しい信者を集めることも禁止しています。より深刻なのは、牧師や中国の著名なキリスト教の指導者を投獄していることです。
ラジオ・フリー・アジアの昨年の報告によると、中共当局は信仰を放棄させるために、秘密の移動可能な転向施設にキリスト教徒を拘束しています。
中国の憲法では、信教の自由を保障しているとされています。