4月29日、湖南省長沙市で6階建てのビルが倒壊しました。当局は30日夜になってようやく、事故によって23人が内部に閉じ込められ、39人の行方が分からず、5人が救出されたと発表しました。現地の住民は、救助が遅々として進まないのに体裁だけ繕っている当局を強く非難し、行方不明者の家族の中には、何の情報もないことに絶望して、ホテルのロビーで泣き崩れた人もいます。
4月29日午後、長沙市市街地にある飲食店などが入る6階建てのビルが倒壊しました。近くには長沙医学院があり、事故当時はお昼時でたくさんの学生がビル内で食事をとっていました。事故発生から4月30日夜までの間に当局は、事故によって23人が内部に閉じ込められ、39人が行方不明と発表しましたが、実際の状況はわかっていません。
ネット上にアップされたあるリストによると、行方不明者のうち少なくとも36人が長沙医学院の在学生であることが明らかになっています。
現場の動画によると、救助が遅々として進まず、体裁を繕うことに終始しており、さらに一般の住民は事故現場への立ち入りが禁止されています。
現地住民
「そもそも何もやっていない。やっているふりだけだ。このクレーン車だってやっているふりだけだ。もう3日目になるのに!」
「一般庶民は入ることができない」
動画には、一部の民衆が現場付近に集まって、家族の消息を今か今かと待ち続けている人が撮影されているほか、悲痛の思いで泣き叫ぶ人の声も入っています。
ある市民は、倒壊してがれきの山となったビルを遠くから見つめながら、犠牲になった家族を思って涙し、またある人は嗚咽をこらえきれません。
事故発生から3日目となった5月1日、子供と連絡が取れない親たちが、子供の情報がまったく入らないことに泣き崩れました。またある親は、ホテルのロビーで号泣しました。
生き埋めの人の生存確率が急激に下がると言われる「黄金の72時間」までに救出されたのはわずか7人でした。
官製メディアの報道によると、事故発生から88時間後の3日午前4時に9人目の生存者、21歳の女性が救出され、5日早朝に10人目の生存者が救出され、病院に搬送されました。50人以上の安否がまだわかっていません。
しかし、本当は何人が内部に閉じ込められているのか、何が起きたのか、外部から知ることはできません。
情報によると、倒壊したビルは2012年に建てられた6階建でしたが、2018年に増築が行われ、違法建築の疑いがもたれています。5月1日、地元警察はビルのオーナーや工事関係者など9人を刑事拘留したと発表しました。