5月5日、欧州議会(EP)はフランスのストラスブールで開かれた本会議で、中国で法輪功学習者やその他の少数民族、キリスト教徒から継続的かつ組織的に強制臓器摘出が行われているとの報告に対し、重大な懸念を表明する緊急決議を採択しました。中共当局に対し、強制臓器摘出の疑惑に迅速に対応し、国連人権高等弁務官事務所を含む国際人権機構による独立した監督を許可するよう呼びかけました。
今回の緊急決議案は、「社会民主進歩同盟(S&D)」が主導したもので、欧州議会の全政党で議論と提案が行われ、最後に超党派による議論を経て決議文が提出されました。
欧州議会議員 ピーター・ヴァン・ダーレン氏(オランダ)
「このことは、欧州議会外務委員会にとっての取っ掛かりになるだろう。彼らは中共の政府官僚と会うたびにこの件を議論するべきだ。欧州はこのことに対して、もはや見て見ぬふりをすることはできない」
欧州議会議員 ヒルデ・ヴォートマンズ氏(ベルギー)
「この決議には多くの明確な段階がある。我々は、中国(共)側がこの疑惑に答えること、公正な調査が行われることを望む。そして、中国に行って移植を受けることが二度と実現できないようになることを望む。彼ら(患者)が獲得した臓器が、囚人や法輪功学習者から盗み取ったものである可能性があることを知る必要があるのだ」
採決の前日、議員たちはこの動議について議論を行いました。
決議事項発起人 欧州議会議員 マリア・アレナ氏(ベルギー)
「我々は、欧州連合(EU)とその加盟国がこれらの行為(強制臓器摘出)を非難し、移植ツーリズムを阻止するための措置を取るよう求める。また、我々の研究機関や臓器移植機関に対し、強制臓器摘出に関与している可能性のある中国の組織と協力しないことを確約するよう要求する」
5月5日、フランスのストラスブールでの本会議で投票が行われ、正式な決議として採択されました。
欧州各地から集まった法輪功学習者らは、この件に関心を寄せている議員たちにエールを送りました。
オランダから駆け付けた法輪功学習者の張艷華(ちょうえんか)さんは、かつて中国で3回も不当に逮捕され、合わせて7年以上拘束されました。張さんは中国の刑務所で、「法輪功の修煉をやめなければ、生きたまま臓器を強制摘出する」と看守から脅されました。
オランダ在住の法輪功学習者 張艷華さん
「私が衰弱しているときに、連続で血液検査をされた。半月の間に3回も検査され、毎回注射器1本分を抜かれた。しかも刑務所では、法輪功学習者だけに対し血液検査を行い、刑事犯の受刑者にはしなかった」
欧州議会は2013年にも中国共産党による強制臓器摘出問題に関する決議を採択しています。2016年には、文書による声明を採択しています。