日本は、価値観や利害を共有する国々との関係を強化しています。
岸田文雄首相は、東南アジアと欧州5か国への歴訪を終えたばかりです。
米国のバイデン大統領は、今月20日から24日の日程で、日韓両国を訪問する予定です。
また、欧州連合(EU)のミシェル大統領とフォンデアライエン欧州委員長は、今月中に日本を訪問する準備を進めています。
ゴールデンウィーク中には、岸田首相がべトナム、インドネシア、タイを訪問しました。
今回の外遊は、日本と東南アジア諸国との防衛および経済関係を強化することを目的としています。
しかし、その背景には何があるのでしょうか。
インド太平洋地域では、急ピッチで軍備増強を進める中国共産党政権の脅威に対して、周辺国からの懸念を招いています。
中国は、東南アジア諸国にとって最大の貿易相手国です。一方、日本はこの地域において大きな経済的役割を担っています。その背景には、アジアで最も技術的に進んだ国としての地位があります。
また日本は、世界で強い影響力を持つ「G7(先進7か国)」唯一のアジア国でもあります。他の6か国は、米国、カナダ、ドイツ、フランス、英国及びEUです。
昨年、日本は英国、豪州と防衛関係の深化に向けた協議を行いました。協議では、共同訓練についても話し合われたとしています。
昨年10月には、事実上の「空母化」に向け、ヘリコプター搭載護衛艦「いずも」に在日米海兵隊に所属する最新鋭ステルス戦闘機「F35B」2機が発着艦する試験が行われました。
第二次世界大戦中、旧日本海軍の空母は最先端でした。戦後には、専守防衛の観点から攻撃型空母の保有が禁止されています。
しかし、海洋進出を活発化させる中共政権や核実験を行う北朝鮮などによってインド太平洋地域における緊張が高まるにつれ、日本政府は防衛政策について再考を迫られています。