JPモーガン:中国のインターネット企業は「投資不可能」

米国の投資銀行JPモルガンが最近、中国のインターネット企業について「投資不可能」と判断したことで、米国とアジアの株式市場から約2,000億ドル(約26兆円)が消失しました。しかし、JPモルガンは今になってそれを「編集上のミスだった」としています。その舞台裏で何が起きているのか、専門家が分析しました。

複数の関係者によると、「投資不可能」という判断を発表する予定はなかったといいます。J Pモルガンの編集スタッフには「投資不可能」という表現を報告書から削除し、「魅力がない」に置き換えるよう要請していました。しかし、ミスまたは見落としにより、「投資不可能」が一部の報告書に残っていたといいます。

調査会社「ニュー・カイト・データ・ラボ」の創設者でアナリストのクリストファー・ボールディング氏は、JPモルガンには利益相反があるためだと述べています。JPモルガンは、中国企業や当局を怒らせたくない一方で、投資家たちに中国企業への投資リスクを明らかにする責任もあります。

調査会社「ニュー・カイト・データ・ラボ」創設者 クリストファー・ボールディング氏
「JPモルガンは巨大な利益相反に直面している。もし中国の経済見通し、会計基準などを批判すれば、中国ビジネスからすべて切り離される可能性が非常に高いのである」

中国のインターネット企業について「投資不可能」と判断したのは、JPモルガンの独立アナリストによるものでした。アナリストの専門知識を持たない編集スタッフが、投資リスクについてアナリストの言うことを変えるのは無責任だと思われるのでしょうか?

調査会社「ニュー・カイト・データ・ラボ」創設者 クリストファー・ボールディング氏
「編集スタッフはアナリストの言葉を本来意図したものよりもずっと丁寧に聞こえるように修飾する。そのために彼らが存在することは周知の事実だ。彼らは政治的地雷原を避けるために、言葉を和らげるように訓練されている」

ボールディング氏は、理想を言えばJPモルガンは言葉を和らげるべきではないと言います。しかし同時に、プロの投資家はすでにこの事実を知っており、惑わされることはないだろうと述べています。

調査会社「ニュー・カイト・データ・ラボ」創設者 クリストファー・ボールディング氏
「投資家は、買いというのは本当の意味での買いではなく、ホールドはどちらかというと売りだということを知っている。そして、売りというのは、その会社から早く手を引けという意味だ。プロの投資家なら、大抵の場合、それらの言葉が和らげられる可能性があることを知っているのだ」

JPモルガンの広報担当者は、報告書で「投資不可能」もしくは「魅力がない」のどちらの言葉が使用されていても、それを支持するとしています。また、この2つの言葉は置き換え可能であるとも述べています。表面的には、この2つの言葉は全く異なる意味を持っていますが、プロの投資家にとっては基本的に同じことを意味すると、ボールディング氏は言います。

調査会社「ニュー・カイト・データ・ラボ」創設者 クリストファー・ボールディング氏
「プロの投資家なら、これらの用語がほぼ同じものであることは理解している。プロの投資家はJPモルガンの調査を読んで、『アナリストに会ったが、アナリストは投資不可能とは言えない。しかし、彼らがこう言ったら、基本的にこの会社には投資するなということだ』と言うだろう」

JPモルガンが一部の中国インターネット企業を「投資不可能」と判断したのは、中共の規制当局による取り締まりによって、この分野から数十億ドルが消失したことが理由の一つかもしれません。

〈字幕版〉

 
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