ウクライナ侵攻は台湾侵攻の好機会?米上院公聴会

最近、米上院で開かれた公聴会で、ロシアによるウクライナ侵攻を巡り、米国が軍事介入をした場合、中国共産党政権がこの隙を台湾侵攻のチャンスと捉えているかについて対話が行われました。

米情報機関を統括する国家情報局(DNI)のヘインズ国家情報長官は今月10日、上院軍事委員会の公聴会に出席し、米国の国家安全保障に対する最も差し迫った脅威について指摘しました。

米国家情報局(DNI)アヴリル・ヘインズ長官
「中華人民共和国を始めとする国家機関からの脅威、これは情報機関にとって比類なき優先課題であることに変わりはない」

ヘインズ長官によると、中共政権を巡り、情報機関が注視していることの1つは台湾に対する動きだとしています。

米国家情報局(DNI)アヴリル・ヘインズ長官
「中国共産党は、武力行使の必要があると判断した場合の準備が整っている」

「中共はまた、過去最大規模の核戦力の増強を推し進めている。多様なものを貯蔵している中国は、米国の宇宙開発能力に匹敵する、または上回るような取り組みを行っており、米政府および民間企業のネットワークに対して、最も広範で活発かつ持続的なサイバースパイ活動の脅威を迫っている」

中共政権は、国家ぐるみで10年以上前からサイバー攻撃により、日米を筆頭に外国企業や政府機関から機密情報や先端情報を窃取しているとされています。米国の損害額は、毎年2千億から6千億ドルに達しています。

標的となっている米国内の代表的な例としては、Google、Adobe(アドビ)、Equifax(エキファックス)、米商務省などです。

およそ10年にわたる中共政権によるサイバー攻撃の背景には、中共軍が見え隠れしています。

中共政権の軍事力については、米国防総省の情報機関である国防情報局(DIA)のベリア長官は次のように語っています。

米国防情報局(DIA)スコット・ベリア長官
「中国は手強い相手だと思います」

また、中共政権による台湾侵攻の時期についても議論が白熱しています。米軍長官の中には、侵攻時期を6年以内と推測する見解もある一方で、共和党のジョシュ・ホーリー上院議員は差し迫った懸念を抱いています。

ジョシュ・ホーリー上院議員(ミズーリ州選出)
「中共が近い将来、台湾に侵攻することを心配されていますか?米国はロシアの軍事侵攻に介入するべきでしょうか?」

米国防情報局(DIA)スコット・ベリア長官
「その可能性は低いと思われますが」

ジョシュ・ホーリー上院議員(ミズーリ州選出)
「どの点に対して可能性が低いと思われますか?」

米国防情報局(DIA)スコット・ベリア長官
「中国がウクライナ侵攻を利用するということですが、おそらく現段階では準備が整っていないと推察されます」

ジョシュ・ホーリー上院議員(ミズーリ州選出)
「では現在、中国が台湾を侵略する能力がないと思われているのですか?」

米国防情報局(DIA)スコット・ベリア長官
「そのようなことではありません」

ジョシュ・ホーリー上院議員(ミズーリ州選出
「詳細をお聴きしたいです」

米国防情報局(DIA)スコット・ベリア長官
「この話し合いは非公開にすることは可能ですか?」

ジョシュ・ホーリー上院議員(ミズーリ州選出)
「もちろんです」

ベリア長官は、台湾はウクライナ紛争から教訓を学んでいるだろうと述べています。

米国防情報局(DIA)スコット・ベリア長官
「リーダーシップや小部隊の戦術がいかに重要か」

またベリア長官は、台湾の軍隊の多くが徴集兵であることに言及しました。

米国防情報局(DIA)スコット・ベリア長官
「私は、それがあるべき姿だとは思っていません」

ベリア長官は、米国は台湾の軍隊と協力し、防衛と訓練の両面で、どこに資金を投じるべきかを教授するべきだとしています。

 
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