5月11日の夜、中国のSNS「ウェイボー」に投稿された動画が注目を集めました。
動画の中で、防護服を着た複数の警官が上海の若い夫婦を仮設病院に連れて行こうとしていますが、夫婦が拒んでいます。
すると警官らは、従わなければ行政処罰を受け、しかも今後三世代に渡って影響を受けることになると脅しています。
これに対し、男性は「我々は最後の世代だ。ありがとう」と冷静に返しました。
この動画はネット上で話題となり、男性が言った「最後の世代」について議論が行われています。
ネットユーザーらはこの動画を転載し、「この夫婦は子供を作らないことで、当局の三人っ子政策に抗議を示している」「海外に行くつもりかもしれない」などとコメントしています。
また、あるユーザーは「三代だと?三代後に共産党がまだ存在するのか疑問だ」とコメントしています。
その後、この動画は削除されました。警察官のアクセントからこの事件は上海での出来事だと推測できます。上海や他の地方で人々が警察と口論する様子を撮影した動画は、検閲によって中国のソーシャルメディアからほとんど削除されています。
上海市当局は16日の記者会見で、3月下旬から続いている都市封鎖について、段階的に規制を緩和し、6月1日から6月中旬にかけて、「正常な生産と生活を全面的に回復する」と発表しました。しかし、翌日の17日にも上海では大規模なPCR検査が行われ、全面解除への見通しは不透明です。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は10日、中国の「ゼロコロナ」政策について、「持続可能とは思えない」と述べました。ウイルスが進化し感染力が強まっているため、別の対策に移行することが必要だとの考えを示しました。