エネルギー分野で、電気自動車(EV)が注目されています。同分野のサプライチェーンの一部では、中国が支配的であるようです。
これは、バイデン政権が電気自動車の普及を促していることと関係があります。この計画は、気候変動に関する目標の達成に役立つと考えられています。しかし、それは意図しない結果をもたらすかもしれません。
温室効果ガス削減の目的で電気自動車が普及すればするほど、中国のサプライチェーンへの米国の依存度が高まる可能性があるのです。
昨年、電気自動車(EV)の生産において、初めてスマートフォンやパソコンよりも多くのコバルトを消費したことが明らかになりました。コバルトは、電気自動車で使用されるリチウムイオン電池の材料となる希少金属(レアメタル)です。
データによると、2021年に電気自動車の生産に約6万トンのコバルトが使用されており、これはコバルト需要全体の34%に相当します。一方、携帯電話には約15%、パソコンには9%使用されています。
この数字は、電気自動車市場が拡大していることを反映しています。国際エネルギー機関(IEA)の報告書によると、電気自動車の販売台数は、2020年の4%から翌年の2021年には8.5%と倍増しています。
コバルトの大量使用は、リチウムイオン電池を作るのに十分な材料を調達する必要があることを意味しており、これはEV業界の大きな障害となっています。
コバルトの4分の3はコンゴ民主共和国から産出され、中国と英国が採掘を独占しています。
第2位の産出国は豪州です。しかし、コバルト研究所によると、豪州はコバルト供給の3%程度しか供給していないとのことです。