「鎖につながれた女性事件」が発覚してから4か月後、関連のトピックが再び検索ワード上位に躍り出ました。中国の著名な法学者の羅翔教授の執筆した論文が、中国に住む人々の良識を突いています。
先日、「8人の子供を産んだ豊県の女性に関する事件の調査グループが発足した」とのトピックが再び微博(ウェイボー)の人気検索ワードに躍り出ました。閲覧回数は39億5000万回に上っています。
しかしこれは、事件調査に新たな展開があったからではなく、中国政法大学の羅翔教授が発表した論文『人身売買犯罪に関する立法修正』が注目を集めたためでした。
羅翔教授は、中国の現行の『刑法』の人身売買に関する規定には多くの体系的な不備が存在していることを挙げ、これが人身売買という犯罪形態が『人をモノ以下にした』と指摘されるようになった理由であり、さらに女性を売る方と女性を買う方の双方に対する刑罰の重さをアンバランスにした原因だとも考えています。羅翔教授は以前にも動画を通じてこうした指摘を行っていました。
中国の法学研究者 羅翔氏
「女性を1人買ったら何年(の実刑判決が下される)か?あなたは何年なら妥当だと思いますか?(中国の刑法)241条によると、女性1人を買った場合、最高で何年だろうか?3年以下の実刑判決、拘留、保護観察だ」
中国の法学研究者 羅翔氏
「私がオウムを1羽買ったら何年(の罪に問われる)か。5年以下だ。2羽なら?5年以上だ。ヒキガエル20匹なら?3年以下だ。だから、1人の女性は実際にはヒキガエル何匹に相当するだろうか。20匹だ。オウムにも及ばないのだ。なぜならオウムは(人身売買される)女性よりも高いから」
しかし、羅翔教授の論文によって「鎖につながれた女性」のトピックが検索キーワード上位を占めていた時間は長くは続きませんでした。22日の夜、「8人の子供を産んだ豊県の女性に関する事件の調査グループが発足した」とのタグがすでに消えていました。ネットユーザーは次々と「この言葉も消えたのか。メンツの問題か」「トピックが被爆した」「多くのトピックが消えてしまった。彼女たちはいつになったら家に帰れるのだろう」「『騒動挑発』の場合はさっさと捕まえるくせに、人身売買をやった人を捕まえるのは遅いじゃないか」などと声をあげています。
徐州の「鎖につながれた女性」事件は国際社会からも大いに注目されましたが、中共当局は関連の情報を即座に封鎖したうえ、当事者が今どこで何をしているのかも不明です。