サプライチェーンの中国からの流出が進むにつれ、ベトナムからの輸出が急増しています。
中国のハイテク産業の中心地である深圳からメーカーが移転しているため、ベトナムの輸出が急増しています。
中国の金融情報サービス会社Wind(ウインド)によると、ベトナムの輸出は4月に前年比で30%以上急増したとのことです。
これは、3月に輸出額が過去最高を記録したことを受けてのことで、製造業への関心の高さがうかがえます。
米放送局CNBCは、シンガポールの経済学者ビシュルット・ラナ氏の言葉を引用し、ベトナムは「家電製品のサプライチェーンの非常に重要な接続点になった」と伝えています。
ベトナムの公式データによると、同国の輸出額は3月に約350億ドル(約4兆5000億円)に達しました。
一方、中国のハイテク産業の中心地である深圳の公式データによると、同市の輸出額は約180億ドル(約2兆3000億円)でした。これは、前年比で14%減少しています。
2018年、30年ぶりにベトナムの輸出額が深圳を上回りました。そして、両者の差はその後も広がっています。
アップル、インテル、サムスン電子、LGなどのハイテク大手はベトナムへの投資を始め、生産ラインを徐々に中国から移転させています。
サプライチェーンの中国からの移転問題は、今に始まったことではありませんが、中国のパンデミック対策の強化によって再び脚光を浴びるようになったようです。
しかし、大変革を実現することは簡単ではないかもしれません。
専門家は、企業の中国からの撤退は、グローバルサプライチェーンにおける中国の役割を変えるには十分ではないかもしれないと指摘しています。