河南省のメリヤス工場や染色工場が集まる地区で最近、100人近い児童に鼻血の症状が見られました。しかし、当局の説明が保護者らの怒りを買っています。
河南省商丘市夏邑県(かゆう-けん)で最近、およそ100人の児童に鼻血の症状が現れ、子供たちは病院で診察を受けました。多くの保護者は、子供の鼻血は付近にあるメリヤス工場や染色工場が原因ではないかと疑っています。工場付近の住民たちは長年、異臭に悩まされてきたからです。
鼻血を流す児童は増え続け、住民からの苦情も多くなっていきました。しかし、夏邑県政府が5月25日に出した公告が住民の怒りを買っています。公告では「検査の結果、問題企業の現場の内部、外部での排出量はいずれも基準値を超えていない。確かに刺激臭があり、5月18日に環境保護法執行部門が法に則って関連企業4社の稼働停止と整頓を要求した」としています。
これに対し、多くのネットユーザーは「基準値を超えていないのなら、なぜ稼働停止や整頓をするのか?」「刺激臭があるのを確認したのなら、なぜ真剣にその原因を探さないのだ?」と疑問を呈しています。
一部児童の保護者が提供した情報によると、工場の稼働停止後、子供の鼻血の症状も消えたといいます。
河南省商丘市夏邑県の金さん
「息子がこの前、ずっと鼻血を流していたので、病院に行って薬をもらい、点滴を打った。最近は近隣の住民らもこの問題を訴え始めたので、それで私はやっとこれがいかに深刻な問題であるかがわかった。息子が鼻血を流していたのは、半月ほど前だったと思いますが、最近はよくなった。最近、上層部から調査団が来て検査を行い、全ての工場が稼働を停止した。これが原因なのかもしれない」
5月25日の夜、夏邑県環境保護局はメディアに対し、調査にはまだ時間が必要で、児童たちの鼻血が工場の排気が原因なのかどうかはまだ断定できないと示しました。