湖南省では、5月30日から豪雨に見舞われ、河川の水位が急激に上昇しています。住民によると、鳳凰古城の近くの水力発電所が前もって放流したことで、一部の民家が浸水し、道路も冠水しました。
6月1日の夜から2日午前にかけて、湖南省湘西トゥチャ族ミャオ族自治州は豪雨に見舞われました。中でも、鳳凰県では最大降水量が246.5ミリメートルに達しました。集中豪雨によって鳳凰県を流れる沱江が増水し、水が溢れて民家に流れ込みました。鳳凰古城の多くの道路が冠水し、道路沿いの店舗が浸水しました。
鳳凰県の古城南門や沱江鎮では、複数の人が洪水で身動きが取れず、救助隊が住民を避難させました。
鳳凰県の住民、李さんは、近くの水力発電所が前もって放流したことが原因で、沱江が急激に増水したと述べています。
鳳凰県住民 李さん
「鳳凰古城には沱江の水量をコントロールする水力発電所があるが、発電所は明日と明後日の水量を制御するために、早朝の時間帯に、前もって放流した。今は水位は元に戻っている。古城の一部住民に関しては、彼らの家が低いところに位置しているため、ダムの放流によって住宅の一階部分が浸水した。だから、彼らを避難させたのだと思う」
濾渓県では、11の郷や鎮が豪雨に見舞われ、うち廖家橋鎮都里郷では最大降水量を記録しました。鳳凰古城のホテル業者によると、豪雨によって4割の部屋がキャンセルになったといいます。
廖家橋鎮の住民
「増水した。雨は今も降っている。(住民は)避難した人もいるが、していない人もいる」
鳳凰古城のホテル業者
「一部の人が予約を取り消したが、60%の人はキャンセルしていない」
鳳凰県の住民は、今回の豪雨によって、鳳凰県では都市型水害が発生したといいます。
鳳凰県の住民 李さん
「県庁所在地で都市型水害が発生したが、この都市のインフラの一つ、排水システムに問題が生じたのだろう」
ネット上に投稿された動画によると、6月3日にも湖南省の多くの地域で洪水被害が発生しました。
益陽市では、農地が冠水し、濁流が道路を勢いよく流れ、車も流されています。
桃江県の三官橋村では、建物の一階が完全に水没しました。
常徳市安康郷も一夜にして海のようになり、被災住民が号泣しています。
常徳市安康郷の住民
「軒先まで浸水している…」
桃源県では濁流に樹木が流され、家屋や車が浸水しました。
懷化市辰溪県では、建物の2階まで浸水し、家屋が傾きました。
6月5日、水が引いた後の道路は、瓦礫や泥だらけになっています。