新唐人テレビは昨年、中国で国産の新型コロナワクチンを接種した人の中に白血病を発症する人が増えていると報じました。当局がこの件を公にしないため、この件は中国国内でほとんど知られていませんが、発症者の数は現時点で1万人に達していると思われます。5月31日に行った患者数人に対する取材を通じて、彼らの苦しみと無力感が浮き彫りになりました。
深圳に住む鍾さんは4月8日にシノバック製ワクチンの3回目の接種を受けたあと、5月22日に亡くなりました。
亡くなった鍾さんの夫 斎さん(仮名)
「私の妻はもう亡くなってしまった。(5月)22日だ。妻はまだ36歳で、二人の子供を残して死んでしまった。妻は4月8日にワクチンを打ったあと、4月9日に症状が出て、それから最終的に前駆B細胞急性リンパ性白血病との診断が確定した」
鍾さんの夫は、ワクチン接種前の鍾さんは規則正しい生活を送っており、毎年の健康診断でも健康と診断されていたと明かしています。
河北省の尹さんは、昨年5月1日に、シノファーム製ワクチンの2回目の接種を受けたところ、8月に急性リンパ性白血病と診断されました。
尹さんの夫 張さん(仮名)
「ワクチンを打った後に息苦しさと息切れを感じるようになり、それから咳が出るようになったが、大して気にしなかった。風邪が1か月以上も治らないと思っていたら、背中が痛くなった。それで検査に行ったら、血液に問題が見つかった。検査した時の血小板は30いくつだった。医者は急性(白血病)のようだと言った」
以前の尹さんは健康体で、家系に白血病患者はいません。
鍾さんと尹さんは特殊なケースではありません。中国の30あまりの省と市の患者が合同で公開書簡を送り、国産ワクチン接種後の白血病発症率が急増していると告発しています。この公開書簡は微博(ウェイボー)の人気検索ワードに上がりましたが、すぐに削除されました。
公開書簡には、「我々が接種したワクチンは主にシノバック製で、そのほかにシノファーム、武漢生物、智飛生物、長春生物なども含まれている。ほとんどの人は2回目接種の後に問題が発生し、一部の人は1回目や3回目の後に問題が出ている。ほとんどの人は接種して数日後に発症し、それから白血病と診断されている。主に急性リンパ白血病と、急性骨髄性白血病の2種類がある」と記されています。
彼らのような患者は、白血病との診断が下りると現地の疾病予防コントロールセンターに行って鑑定を申請しますが、専門家の鑑定結果は一つの例外もなく「偶発的な事象」と記されています。
尹さんの夫 張さん(仮名)
「たまたまあなたがこの病気を発症する時期にワクチンを打ったからだ、偶然だと彼らは言うのだ。彼らはあなたにたまたまだという鑑定を下した。その意味は、あなたはワクチンを打たなくても白血病になったはずだし、ワクチンのせいではないと言い逃れする」
しかし、患者らは公開書簡の中で、「いくつかの症例が偶然だったとしても、我々のところには1000件を超える症例が寄せられていて、『偶然』で片づけられるものではない」と強調しています。
白血病を発症した宮さん
「なぜなら確実に、正常な人がワクチンを打った後に問題が出ているうえ、私も以前はとても健康体だったからだ。当時診断を調査した時の録音があるが、彼は(ワクチンとの因果関係を)認めていた。専門家は、ワクチンが(白血病を)引き起こしたのは確実だと言った。彼はそれを認めたのに、診断を調査する中で発言を翻した。私はすぐに、内部で大きな力が働いたのだと分かった」
公開書簡の中では控えめに見積もっても、国産ワクチンを打った人たちの中で白血病を突然発症した人は1万人はいるはずだとしています。しかし彼らは、自身の権利を守ることすら抑圧されています。
白血病を発症した宮さん
「私は以前、ある(患者の)グループに入っていたが、地元の派出所に呼び出され、グループを退出させられた。あのグループには、山東省だけでも300人以上(の患者)がいた。それはほんの一部だ。現在は権利を守ることができなくなっている。なぜかというと、派出所から呼び出される前、グループ内のある人が、現地の派出所が彼らに電話をかけてきたり、会いに来たりして、彼らをグループから抜けさせようとしたりいろいろやって、彼らが陳情に行けないようにしたと言っていたからだ。彼らは全国規模で圧力をかけている。人々が一つになってこの件に取り組むのをやらせたくないのだ」
患者らは、さらに別の困難にも直面しています。
宮さんは白血病を発症して仕事が続けられなくなったため、骨髄移植を受けられたとしても費用を支払い切れません。
尹さんはすでに治療費として30万元(約600万円)を支払いましたが、自身と二人の子供の面倒は夫の張さんが見ているため、張さんが仕事をする時間も大幅に削られています。
妻を失ったばかりの斎さんは、証明書の発行をしてもらえずにいます。疾病予防コントロールセンターも病院も、手続きをしてくれないためです。
妻を失った斎さん
「私のこの(権利保護の)道は険しいが、私は必ずやり続ける。なぜなら、私の妻はもう亡くなってしまったからだ。もう金の問題ではないのだ。まず、人ひとりの命が10数万元にしかならないという。私は500万元を渡しても妻に戻ってきてほしい。1000万元を払っても構わない。妻を戻してほしい」
患者らは、メディアはこの問題を報じないうえ、弁護士も弁護したがらないと話しています。彼らの存在は社会全体からまったく認知されていませんが、そこには大きな危機が隠されています。ワクチン接種はまだ継続されており、白血病患者も増え続けているからです。