大阪港湾局が昨年12月、中国の武漢新港管理委員会とパートナーシップ港に関する覚書(MOU)を締結しましたが、中共の一帯一路構想に取り込まれるのではないかと危惧する声が上がっています。
2021年12月16日、武漢新港管理委員会と大阪港湾局は、パートナーシップ港に関する覚書をオンラインで締結しました。しかし、当日の説明会のプログラムに、「中国湖北ー日本関西の川海連絡輸送一帯一路連通提携プロジェクト」という記載があったため、物議を醸しています。
大阪府議会の西村日加留議員も、この提携に疑問を提起しています。
大阪府議会 西村日加留議員
「やっぱり『一帯一路』の問題ですね。 向こうは決してただのビジネスとは思っていなくて、中国共産党が経済網を広げるために、国策としてやっていることなので」
武漢新港管理委員会は神戸市港湾局と2019年12月に、神戸港と武漢港の連携を強化するパートナーシップの合意書を締結し、これにより、両港間を結ぶ直行コンテナ航路が開設されました。 しかし、神戸市議会の上畠寛弘(うえはた のりひろ)議員によると、議会でも協定に関する情報提供がなかったといいます。
知らず知らずに一帯一路に取り込まれる危険性があると危惧する声も多く、上畠議員が神戸市に協定の失効を申し入れました。そして5月末に、有効期限を迎える2022年末をもって更新せず失効することが決定しました。 今回、大阪港との提携においても、地方議員や民間から疑問の声が上がっています。
大阪府議会 西村日加留議員
「去年、ましてや、11月に電話での打診があり、その一月後に結ぶというスピーディーな、かつ港湾局長の決裁の下、結んでしまった」「それを港湾局長が決裁していいものか、Quad(クアッド)のようなそれこそ中国に頼らず、もっとパートナーがつかんでいれば、そんなとこに頼らずにいけるので」
西村議員が大阪港と武漢港の提携解除を望むもう一つの理由は、中国における劣悪な人権状況です。武漢港と提携することで、大阪港から日本国内に入ってくる製品の中に、新疆で強制労働によって作られた製品が含まれないとは保証できないからです。