先日、四川省涼山イ族自治州の結婚披露宴を撮影したビデオがインターネットに公開されましたが、撮影者は警察に呼び出され、中国の農村の「貧しい」状態をさらして中共のいう「貧困脱却」を台無しにしたとして訓戒を受けました。
動画の中では賑やかな結婚披露宴が行われています。宴の席には村の老若男女が集まり、道端に腰を下ろして地面に並べられた素朴な料理ー「高菜と豆腐のスープ」を味わっています。
イ族の村民たちは撮影者を新郎の新しい家に招き、盛大にもてなしました。
動画の雰囲気は喜びに満ちあふれていますが、多くのネットユーザーは新居に家具や家電製品はもちろん、食事をするテーブルすらなく、高菜と豆腐のスープとそば料理が地面に直接置かれていることに心を痛めました。
この飾り気のない素朴な動画は、瞬く間に中国大陸で数千万回のクリック数を獲得しました。多くのネットユーザーが「貧しさ」が映し出された動画に「驚愕」し、「こんなに貧しい地方がまだあったのか！」と胸を痛め、別のネットユーザーは「これはここでは豪華な宴会の部類に入る。現地では、こんなにめでたいことは結婚のときくらいしかない」と補足しています。
６月７日、この動画の撮影者と思われる配信者の陳建さんが、警察から「お茶を飲みに来るよう」、つまり取り調べを受けに来いと言われたと明かしています。理由は、この披露宴の動画があまりにも広く影響を与えたためで、すでに涼山イ族自治州政府のインターネット監視部門、警察、政法部門、宣伝部門などから電話が入っていると説明しています。
その後あるネットユーザーは、陳建さんを「お茶に誘った」のは、四川省涼山イ族自治州美姑県で発足した調査チームで、陳建さんが公開した動画は、現地の「貧困脱却」イメージと感染症対策に深刻な影響を及ぼしたためだと明かしました。また、調査の要点は、陳建さんの動画の企画やマーケティングに悪意がなかったかどうかを調査することだと指摘しています。
６月８日、ネット上には６ページにも及ぶ取り調べ記録が投稿され、陳建さんが６月７日に警察との間で交わした会話が詳細に記録されており、陳建さんが訓戒を受けたあとに書いた書面による保証書も流出しています。
中共の「貧困脱却」という欺瞞を暴いた、大涼山の結婚披露宴の動画はすでに、中国大陸で完全にブロックされています。あるネットユーザーは、この動画は大涼山がまだまだ貧困から脱却できていないという現実を露呈させたため、禁忌に触れたのだと指摘しています。また、ちょうどこの時期に習近平総書記が四川省を視察していたため、現地政府が神経をとがらせていたことも一因となったと思われると述べています。
