湖南省で連続の豪雨 180万人近くに被害

湖南省では連続10日以上も雨が続き、ダムの放水も加わって各地で洪水災害が多発しています。6月8日の時点で、湖南省では180万人近くが直接的な影響を受けています。

中国メディアの報道によると、6月1日から6日にかけて湖南省で、今年に入ってから継続時間が最長で雨の強さも最大となる降雨が続いているため、沅江、資水、湘江の本流と支流が一度に警告レベルを超え、複数の中小河川で洪水が発生しました。

さらに、五強溪や鳳灘などの大型ダムからの放水によって、農業インフラが広範囲にわたり深刻な影響を受けたほか、山崩れや家屋の倒壊なども誘発されました。ある民衆は、中国メディアは良いことばかり報じて悪いことは報じない、災害による被害状況も軽く取り上げるだけだと指摘しています。

湖南省株州市 郭さん
「今回の雨は多すぎる。半月の間ほとんど毎日降っている。私の家は被害に遭った。家の塀や法面保護は雨で流されてしまった。湘江沿岸の歩道はすべて冠水したが、関連の報道は見ていない。彼らの報道の主な目的はいいことを報じて悪いことは報じないことだ。ダムは間違いなく放水するのに、常にこの調子だ。彼らは我々がここにいることにも無頓着だ」

湖南省衡陽市 黄さん
「このところずっと雨が降っていて、10日以上にもなるが、我々が住んでいる衡陽市の増水について何の報道も聞いていない。我々は湘江のほとりに住んでいる。湘江が増水したかどうか、水が逆流しているかどうか、水質が悪化したかどうか、ダムが放水するかどうか、我々には分からない」

報道によると、懐化、湘西トゥチャ族ミャオ族自治州、益陽、衡陽、郴州、長沙などの一部の渡し場は洪水によって流されたり崩壊したりし、道路や一部施設にも被害が出ています。3日、湖南省の景勝地として知られる湘西鳳凰古城は沱江の増水によって両岸の歩道と一部の店舗が浸水しました。

湖南鳳凰古城の呉さん
「数日前から大雨が降り、(ダムの)放水が加わって、それから増水した。古城区域の一階の店舗は浸水して損失が出た。それから雨がやみ、水位が上がらなくなって回復した」

湖南省当局は、8日までに省内全域で179万4500万人が被災し、災害による死亡者は10人、行方不明者は3人と発表したほか、倒壊家屋と深刻な影響を被った家屋は1195軒、2766部屋に上り、直接的な経済損失は40億7400万元に達したとも発表しました。

このほか、省内全域の高速道路にも被害が発生し、一般高速道路129本の218か所で道路が寸断されました。

 
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