中国の企業家や投資家数十人が公開書簡を出しました。書簡では、中共の政治改革を求め、社会の抜本的な変革を列挙しています。
中国で匿名の公開書簡が出回り、議論を巻き起こしています。
この書簡は、上海を中心とする数十人の企業家や投資家が出したものです。彼らの投資額を合わせると、数百億ドルに上るといいます。しかし、この規模の企業でさえ、自社を守り、パンデミックに見舞われた上海の経済で生き残るために苦心しています。
彼らは、今回の都市封鎖によって「完全に目が覚めた」と話しており、中国の共産党政権の信頼性がすでに崩壊していることを認識することができたといいます。そこで、彼らは声を上げることにしました。
当局のゼロコロナ政策への抗議の意を込めて、彼らは封鎖解除後通常生産に戻るようにという当局の指示に従わないことにしたのです。各社は操業は再開するが、生産はしないとしています。
サウスカロライナ大学エイキン校ビジネススクールの謝田教授は、2か月にわたる都市封鎖の後に、企業が生産を再開するのは難しく、特に、サプライチェーンが寸断されている状況ではなおさらであると説明しました。
そして企業家らの戦略は、要するにストライキなのだと指摘します。
サウスカロライナ大学エイキン校 ビジネススクール 謝田教授
「これは本質的に、産業部門、ビジネス部門、労働者、民間資本家といった、上海のあらゆる階層の人々によるゼネストの始まりであることがわかる。実際、彼らはさらに大きな社会的ストライキを呼びかけているのだ」
謝田教授は、企業家らは政権に抗議しているのだといいます。
サウスカロライナ大学エイキン校 ビジネススクール 謝田教授
「政府は、2,000万人以上の人口や多くの企業を有するこのような大都市を、何の議論もなく政治的な理由から、突然閉鎖するといった無謀なことはできないのだ」
書簡では、ビジネスにおける不服従に加え、政治的な改革も要求しています。
彼らが目指すものは、「経済発展を政治から切り離すこと」です。そのためには、住民に土地の永久的な所有権を与えることを含む、いくつかの根本的な社会変革が必要だと述べています。
現在、中国の土地はすべて共産党に属しています。個人や企業は、通常数十年間、その土地の使用権を購入するだけです。それには、住宅地や商業地も含まれます。
書簡ではまた、複数政党による統治システム、および民間のメディア・プラットフォームの禁止を撤廃するよう求めています。
さらに、特権階級や戸籍制度の撤廃も求めています。戸籍(戸口)は省内パスポートのようなもので、中国の8億人の農民を差別するツールでもあります。
特権階級とは、党の高官とその家族を指し、彼らはしばしば特権と特別な待遇を受けています。
サウスカロライナ大学エイキン校 ビジネススクール 謝田教授
「上海の産業界は、ストライキを利用して中国共産党に政治改革を行わせ、中国共産党を歴史の舞台から追い出すのだ。これは、民間レベルで中国共産党を解体するための非常に前向きな取り組みだと思う」
米国を拠点とするラジオ放送局のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、この書簡の賛同者数人と連絡を取ることに成功し、彼らは書簡を引き続き広めると語っています。
しかし、安全上の理由から匿名にすることを希望しました。