世界の核兵器の現状について、新しい報告書が発表されました。報告書によると、世界の全ての核保有国が核兵器の増強や改良を進めているとのことです。
世界の核弾頭の保有数は昨年わずかに減少したとはいえ、報告書では今後10年間は増加するであろうと指摘しています。
この報告書は、スウェーデンに拠点を置くストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が出したものです。このシンクタンクは、軍備管理に関する研究に力を入れています。
核兵器を保有している国は、米国、ロシア、英国、フランス、中国、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮の9か国です。
世界最大の核兵器保有国は米国とロシアで、両国で世界の9割以上の弾頭を保有しています。しかし、現在では中国が追い上げてきています。
中国共産党は、核兵器を増強しており、昨年、砂漠地帯に300以上のミサイルサイロを建設していることが衛星画像の解析で判明しました。このようなサイロには通常、大陸間弾道ミサイルや、核弾頭を運搬するための兵器が格納されます。
研究者たちは、これらのサイロが中国の核兵器保有数を大幅に拡大し、ロシアや米国の核兵器保有数を凌駕する可能性があると見ています。
現在、核弾頭を最も多く保有しているのはロシアで、米国と中国がそれに続いています。米国と中国は昨年、核兵器関連の予算費用を増加させています。