ナイキのランニングアプリ 中国でのサービスを停止へ

ナイキ(NIKE)は、中国でのランニングアプリ「NIKE RUN CLUB(NRC)」のサービスを停止します。この発表により、ナイキは中国から撤退を開始した新たな欧米企業となりました。専門家によると、中国の厳しいコロナ対策と都市封鎖により、外国企業が中国市場に製品を提供することを見直さざるを得なくなっています。

米スポーツウェア用品大手「ナイキ」のランニングアプリ「NIKE RUN CLUB」が来月、中国でのサービスを終了します。

ナイキは、7月8日からアプリの「サービス及び運用を停止する」と中国のユーザーに通知しました。

しかし同社は、「今後も中国のユーザーにより強化されローカライズされた形でのデジタルサービスを提供していく」と付け加えました。

「NIKE RUN CLUB(NRC)」は、中国で発売された最初のランニングアプリで、登録ユーザーは800万人を超え、ジョギングの累計走行距離は約6億キロに達しています。

ナイキはどのような経緯でこの決定に至ったのか説明していません。しかし、専門家は中国のコロナ対策と都市封鎖が主な原因であると述べています。

在米エコノミスト 鄭旭光氏
「中国市場の主な問題は「ゼロコロナ政策」が引き起こす不確実性にある。都市封鎖がいつまで続くかは誰にもわからず、果てしなく長く感じる。もう一つは、都市封鎖が頻繁に行われ、中国での事業運営コストが大きく嵩み、利益が出ないことだ。外出を許さないのであれば、ランニングアプリがあっても意味がない」

ナイキは、この1年で中国での事業を縮小した欧米のハイテク関連企業の最新の事例です。

今年の夏、米民泊サイト大手のエアビーアンドビー(Airbnb)も中国での物件掲載サービスを停止します。代わりに外国行き(アウトバウンド)の旅行者に焦点を当てる予定です。

さらに、アマゾンは最近、電子書籍サービス「Kindle(キンドル)」の中国事業から撤退する計画を発表しました。

昨年10月には、ビジネスに特化したソーシャルメディアサイトの「LinkedIn(リンクトイン)」が、中国における自社のプラットフォームを閉鎖すると発表しました。理由として、「経営環境が著しく厳しい」ことと「コンプライアンスのハードルが高い」ことを挙げました。

鄭旭光氏は、中国の政治の不確実性が変わらないことには、長期的、短期的なビジネスの見通しも変わることはないと指摘し、現状は楽観視できないと述べました。

〈字幕版〉

 
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