延期されていた中国3隻目の空母「福建」が進水

17日、中国の3隻目の空母「福建」が進水しました。「福建」の進水式は元々6月初めに行う予定でしたが、延期になった原因について分析してみました。

NTDの番組「チャイナ・インサイダー」の司会者デービッド・ツァンが、元米海軍将校で航空宇宙コンサルティング会社「エアロダイナミック・アドバイザリー」のシニアアソシエイトのマイケル・チゼック氏に話を伺いました。

中国の最新鋭空母「福建」は、6月初めに進水する予定でした。しかし当局は、艦船の準備が整うまでにさらなる作業を必要とするため、進水式を延期すると発表しました。

「福建」と命名されたこの003型航空母艦は、2018年から上海近郊で建造が進められています。「福建」は、中国の他の2隻の空母「遼寧」と「山東」とは異なり、電磁式カタパルト(EMALS)が装備され、より重い積載量とより多くの燃料を搭載する航空機を実戦投入できるとされています。

今のところ、カタパルトシステムを装備した空母を保有しているのは、米国とフランスだけです。

宇宙航空コンサルタント・元米海軍将校 マイケル・チゼック氏
「中国が目指す外洋海軍には、いくつか必要なものがある。その一つが、戦力投射のための空母だ」

元米海軍将校マイケル・チゼック氏はNTDに対し、中国が海軍による支配を実現するには、空母の開発が鍵になると語りました。

宇宙航空コンサルタント・元米海軍将校 マイケル・チゼック氏
「空母がなぜ不可欠かと言うと、空母は空母打撃群の中心であり、通常は駆逐艦や巡洋艦に囲まれている。米海軍の場合、トマホークミサイルを搭載しているので、地球の反対側にまで力を及ぼすことができるのだ」

米国防総省は、「福建」が完全に稼働するのは2024年と推定していますが、チゼック氏は、これは中共政権にとっての「最初の一歩」だと述べています。

宇宙航空コンサルタント・元米海軍将校 マイケル・チゼック氏
「特に、現在空戦を担っている米国のF-35戦闘機に対抗するために、第5世代戦闘機の投入を始めれば、手強い相手になるだろうが、今はまだ初期段階だ。また、米国は既に多くの空母を運用しているため、中国が新たに空母1隻を建造したとしても、大きな差は出ないだろう」

南シナ海を含む南太平洋地域の緊張が高まる中、中国は空母の進水式を行いました。米国は、戦略的に重要なこの海域への注力を強めています。

宇宙航空コンサルタント・元米海軍将校 マイケル・チゼック氏
「中国(共)は今、米国が南シナ海で行っている航行の自由やミッションの奨励、そして、同地域全体での自由貿易が円滑に行われるよう約束していることを目にしている。中国(共)が行っているのは、自国の力を誇示し、世界に対し「私たちはそれほど遅れていないよ」とアピールしているに過ぎないのだ」

米国防総省の報告書によると、現時点で中共海軍の艦艇保有数は360隻で、米海軍の297隻を上回り、「世界最大の海軍」になったとされています。しかし、能力面においては、まだ米海軍には及びません。

米空軍長官のフランク・ケンドール氏は先月、中共軍は米軍に打ち勝ち、西太平洋から米国を追い出すという具体的な目的を持って戦力を整備していると述べました。

 
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