中国河北省唐山市の飲食店で先日、食事中の女性4人が男らに殴打される事件がありました。この事件が広く注目されると、当局は6月11日から外部の人間の唐山市への立ち入りを厳格に規制し始めました。ネットユーザーは、この措置は当局が民間人による調査を意図的に阻止しようとしているのではないかと疑っています。
唐山市で発生した女性殴打事件が世間を震撼させました。翌日の6月11日、中国メディアの記者や他地域からの乗客は唐山駅から出る際に止められ、詳細な登録表を記入させられています。
インターネットの動画
「駅から出てくる他地域の人は、居住区事務所に出向いて届出と登録をしなければならない。唐山に来る人は車両を統一で手配され、転送される。乗車前に人と車両を一緒に撮影し、到着後は運転手が再び写真を撮る。撮らなければ駅を出ていけない」
中国メディアはこれについて、唐山市で行われている厳格な感染症対策だと報じています。しかしこうした新たな措置が始まったのは、時期的にみて殴打事件に深く関係しているとの見方があります。
貴州の記者
「ある警官がものすごい剣幕で、私を罵った。それから私の首を抱き締め、極めて乱暴に私の頭を押さえつけ、私を地面にひざまずかせて両手を後ろ手にした。私は記者証を出した。警察はまた私の身元を照合したあと、お前はそれでもテレビ局の記者なのか。素質も教養もないと怒鳴った」
他地域からの旅行客
「居住区事務所に電話を掛けたら、元来た道を戻るように言われた」
多くのネットユーザーは、これは唐山市当局が外部からの記者と民衆が殴打事件の調査を密かに進めるのを阻止し、専用の警備措置を設けたのではないかと疑っています。
6月10日未明、唐山市の焼肉店で食事をしていた女性4人に対し、男が声をかけ、白いTシャツを着た女性の背中を触りました。女性が拒否すると男が殴りかかり、男の仲間たちも加わって女性を店外に引きずり出し、殴る蹴るの暴行を執拗に加えました。
ネット上にはその後、別の映像が投稿されました。男らに殴られた女性が地面に座っています。暴行を加えた男らが突然焼肉屋の路地裏に向かって走り出しました。女性もその後を追いますが、引き続き聞こえてくるのは、人を激しく殴る音と鳴り響く女性の悲鳴です。
殴打事件が発生してから10日が過ぎましたが、4人の被害者女性やその家族はまだ公に姿を見せていません。殴られた女性たちの実際の傷の状況や現状についても、明確で調査確認できる情報がありません。ネットユーザーからの情報によると、容疑者の一人は江蘇省の地方政法委員会書記の息子であり、女性はすでに死亡したとの情報も伝わっていますが、当局による発表はありません。そのため多くの人が、この件に対し強い疑問を抱いています。