中共の感染症対策が混迷を極めています。上海では飲食店での食事が禁止され、飲食業界は「地下レストラン」に姿を変え、暗闇の中で食事をする現象まで見られました。また、中国東北部で撮られたある動画がインターネットで大きな注目を集めました。ネットユーザーらは、動画の中の丹東市の女性は警察から言いがかりをつけられたと考えています。
真っ暗な部屋の中で食事をしているのは、停電だからではありません。上海市当局が飲食店を全面開放していないためです。
あるレストランでは食事の途中、突然店内の電気が消されました。感染症対策員に見つからないようにするためです。ネットユーザーは「ご飯を食べるだけで逃亡犯のような感じだ」とコメントしています。
中共当局は感染症対策を何度も変更していますが、その度に民衆も対応策を講じてきました。ある焼肉レストランは従業員を500人募集し、応募者を雇用して店内で焼き肉を提供し、食べ終えたら退職届を出してもらうという方法を考え出しました。
上海の飲食業者
「私たちのような店は、外にテーブルを並べることすらできなかったら、もうやっていけない。私たちの店は生き残る方法がない」
飲食店の経営者は様々な手段を編み出して、この「ゼロコロナ」運動の中で生き伸びる方法を探っています。そうせざるを得ないからです。
丹東市で警察と衝突した 郝さん
「居住区が私に発行した証明書だ。なら私は帰っていいだろう」
ある動画が大きく注目されています。6月21日、丹東市の郝さんという女性が朝、PCR検査を受け、それから居住区が発行した通行証明を受け取り、父親を連れて病院に薬を取りに行きました。しかし、途中で警察に止められました。
警官は郝さんを停止させ、口論が始まりました。すると警官は女性を地面に突き倒しました。
丹東市民 郝さん
「私から離れろ」
丹東の警察官
「お前を行かせない」
丹東市民 郝さん
「私を押したな?なんてこと。警官が私を突き倒した」
そばにいた郝さんの70歳の父親は娘が突き飛ばされたことに怒り、警官を平手打ちしました。すると警官は顔を手で押さえて道路に座りこみ、「録画したか」と叫びました。あるネットユーザーはこの警官を「主演男優賞だ」と皮肉を込めて投稿し、別の人は「当たり屋による法執行」という新たな言葉を作り出しました。
丹東市民 郝さん
「演技するな。早く立て」
丹東の警察官
「この女を行かせるな。この女を行かせるな」
丹東市民 郝さん
「演技するな。早く立ち上がって110番(警察)に電話しろ」
丹東の警察官
「みんな、録画したか? ちゃんと録画したか?」
「はい、はい、はい、はい」
ついさきほどまで道路に座り込んでいた警官は、さっと立ち上がると腹いせからか女性を車の中から引きずり出したため、女性は膝にけがを負いました。
丹東市民 郝さん
「彼は私を引きずり出した」
最終的に当局は、警察官の暴力行為には一切触れず、郝さんとその父親だけを処罰しました。
丹東市民 郝さん
「薬を取りに行くのに、私はすでにチェックポイントを2か所通過した。みんな私を通してくれた。彼(警官)だけが私を通してくれなかった。『黄色コードは通せない』と。病気を発症したら死ぬのを待つしかないのか」
この件が注目されると、ネットユーザーは警察を非難し、人間性のかけらもない当局の杓子定規な措置に異議を唱えました。
丹東市民 宋さん
「外国に見せてみろ。北朝鮮でもどの国でも見たことがないだろう。20メートルに一つ、30メートルに一つ鉄条網がある。私たちは何の武器も持たない人民だ。警察は制服を着て人民に対し独裁的にふるまっている。あらゆるところに警察がいて庶民を監視している。封鎖で(自宅に閉じ込められている)老人たちが救急車で運ばれる。これが正常な社会か?庶民は心の中に煮えくり返るほどの怒りを隠している。お前たちがうまくやれないのなら、いつの日かそれに火が付き、政府庁舎に押しかけるかもしれない」