中共は最近、「全面的な小康社会を実現した」「全面的に貧困から脱却した」と再び吹聴しています。しかし、中国のある研究者は、約3億人の月収は600元に満たないと述べています。また、中共の言う貧困の撲滅は完全に自他ともに欺く言葉であり、中共のゼロコロナ政策はすでに多くの人々を再び貧困状態に逆戻りさせていると指摘する声もあります。
6月28日、中共中央宣伝部の「中国のこの10年」シリーズをテーマにした記者会見の席で、中共国家発展改革委員会の趙辰昕副主任が改めて、「全面的な小康社会を実現した」「貧困脱却が全面的な勝利を収め、現行の基準のもとで9899万人の農村貧困人口すべてが貧困から抜け出した」と発表しました。
しかし、2020年の中国貧困脱却基準によると、貧困脱却家庭の一年間の純収入は4000元(約8万円)、つまりひと月当たり333.33元(約6700円)、一日当たり11.11元(約225円)となります。この基準は国連発展計画の規定よりも、世界で一般的に認められている極端な貧困ライン基準よりも低く、一人一日当たりの収入が1ドル90セント(人民元で約12.31元)を下回っています。
米国在住の経済専門家 鄭旭光氏
「国連よりもかなり低い貧困ラインを設定して、それで貧困脱却できたと言うのだ。国連の基準に照らしているのではなく、自分で決めた基準に従っているのだ。その基準を低く定めれば、その分任務をうまく完了できる。だがこれも無意味だ。こんなやり方はインチキだ。あなたの基数が低すぎるのだ。低く設定しすぎている」
中共当局はいわゆる「全面的な貧困脱却」「全面的な小康社会の実現」を政治目標に掲げているため、このために貧困ライン基準をためらいなく下げています。各レベルの官僚はこの政治任務を完了するため、次々とデータを捏造し、突然の慰問を行い、言論の封殺といった手段を講じています。
昨年2月、中共はいわゆる「建党100年」「祝辞を述べる」として「貧困脱却戦が全面的に勝利した」と大々的に発表し、貧困人口すべてが貧困から脱却したと発表しました。
いっぽうで、広州の中山大学管理学院の李孔岳教授の講演会の動画が最近、インターネットで注目されています。李教授は中国大陸のかなりの人口の収入が低く、困窮状態に置かれていることを明かしています。
広州中山大学管理学院 李孔岳教授
「中国の9億4000万人の月収は2000元(約4万円)未満で、中国の最貧困層の20%は一人当たりの可処分所得が年間7800元(約15万円)、一月当たり600元(約12000円)だ。20%とは2億8000万人だ」
李孔岳教授は、中国の5億9600万人の月収は1000元に満たないとも指摘しています。
2020年に中共国務院の李克強総理も、中国の6億人の月収は約1000元だと述べています。
6月27日、李克強総理は民政部、人的資源社会保障部を視察し、コロナや災害などの影響を受けて困窮人口が増加し、幅広い支援や雇用の促進、「道徳的な最低ラインに衝撃を与える事件」の発生防止によって、「大規模な貧困への逆戻り」が起きないよう確保する必要があるとの見方を示しました。
米国在住の経済専門家 鄭旭光氏
「李克強の民政部でのこの講話でもう説明されているが、大規模な貧困への逆戻りはすでに発生している。しかも道徳の最低ラインに衝撃を与える事件がすでに発生している。彼らが何かを防止するという話をしたら、それはすでに起きていることを示している。彼の今回の講話を通じて、この現象はすでに非常に深刻化していることが見て取れる」
米国在住の経済専門家、鄭旭光氏は、近年中共の対外関係が悪化し続け、中国経済が低迷している中、極端なゼロコロナ政策が経済にさらに打撃を与え、大量の人口の収入減や失業を招き、人々が貧困に陥っていると分析します。
米国在住の経済専門家 鄭旭光氏
「ダイナミックゼロコロナと経済の発展はそもそも矛盾している。政府のダイナミックゼロコロナが厳格で、感染症対策が行き過ぎれば、経済が成長するどころか、低迷する速度がもっと速くなるだろう。大規模な貧困への逆戻りが必然的に起きるのだ」
中共当局は、大規模な貧困への逆戻りが発生していることを一貫して否定しており、大規模な貧困への逆戻りが起きないようこれを維持しなければならないと宣伝を繰り返すだけです。
台湾のマクロ経済専門家 呉嘉隆氏
「今見たところ、経済状況の継続的な悪化によって、貧困人口はさらに増えるしかないようだ。失業問題も同じで、それから金融業の問題や不動産産業の問題もすべて、失業人口を増やしている。感染症の関係で多くのビジネスをできなくした。だから状況は悪化しているのだ」
5月24日、インターネットに四川省大涼山のイ族の結婚披露宴を撮影した動画が公開されました。参加者は地べたに座って料理を食べており、整った環境での食事は望むべくもなく、新居も粗末でした。動画の公開からほどなく、動画撮影者は警察から「お茶を飲もう」と取り調べに応じるよう警告され、「保証書」へ署名するよう迫られました。動画も削除やブロックが行われています。