安倍元総理が日本に残した影響とは=グラント・ニューシャム氏

日本の安倍元総理は、どのようにして中国を怒らせたのでしょうか?中共政権の脅威への対抗で、どのような役割を果たしたのでしょうか?

安倍元総理の逝去でこの役割がどのように変わるのか、日本戦略研究フォーラム(JFSS)のシニアフェローで、One Korea Network理事のグラント・ニューシャム氏に話を伺いました。

ティファニー・メイヤー
「グラントさん、番組にお越しいただいてありがとうございます」

日本戦略研究フォーラム シニアフェロー|One Korea Network理事 グラント・ニューシャム氏

「番組に参加できて嬉しいです」

ティファニー・メイヤー
「安倍元総理の暗殺は、日本だけでなく、台湾さらにはインド太平洋でどのような意味をもたらすのでしょうか?」

日本戦略研究フォーラム シニアフェロー|One Korea Network理事 グラント・ニューシャム氏
「安倍元総理は、日本への脅威を無視した愚かな平和主義から日本を立ち直らせたという点で、称賛に値します。

日本だけでなく、この地域の自由主義国家を自由へと立ち直らせたのは彼なのです。

退任後も、日本の強力な国防、自由で開かれたインド太平洋、つまり自由な国々が集まって自国の利益を守り、地域の繁栄を可能にすることをたゆまず推進していました。

また、日米同盟を強く支持し、台湾の支持者でもありました。

退任後も、かなりの影響力がありました」

ティファニー・メイヤー
「安倍元総理が日本に残した遺業について、すでに多くの報道が出ています。グラントさんも今、言及されました。では、安倍元総理は 、特に中国に対して何をしたのでしょうか?」

日本戦略研究フォーラム シニアフェロー|One Korea Network理事 グラント・ニューシャム氏
「彼は一連の活動を始めました。

日本の国防力、自衛力、理想を守る力を向上させる活動です。まず、10年にわたる日本の防衛費削減を覆しました。彼は、わずかでも毎年増加させました。これは大きな変化でした。いわゆる『集団的自衛権』に関する法律の解釈を変えたのです。

日本の官僚や政治家は、この概念のため、長年にわたって自国を締め付けてきました。国防力を高めるという当たり前のことさえ、できませんでした。彼は、この状況を変えたのです。

現在、日本の自衛隊は全域で実際の訓練を行っています。他の国々と協力しています。このようなことは、以前は全くありませんでした。政治家や評論家たちが本当に反対する中で、彼はそれを押し通しました。とても勇気の要ることでした。

また『日米防衛協力のための指針(ガイドライン)』を変えさせ、米国側と折り合いをつけることに成功しました。ですから現在 、日本は同盟国として、米軍を実際に支援できるようになったのです。変更前は、実際の支援はできない状況でした。

さらに、世界中に出かけていくようになりました。そして、日本のために発言しました。

日本の政治家や首相は伝統的に、物静かで多くの場所を訪れることはありませんでした。しかし、彼はあちこちに出かけ、民主主義の理想を訴えたのです。

さらに、日米豪印の協力枠組み「クアッド」は彼の功績です。

現在は非公式な防衛グループですが、2006年に彼が最初に就任した時に軌道に乗せた発想でした。これは評価に値します。

また『自由で開かれたインド太平洋』という表現は、彼の政権で生まれたものです。

また、トランプ大統領の当選直前に米国がTPP(環太平洋パートナーシップ協定)から離脱した後も、彼はその構想を継続していきました。

それは経済的にも政治的にも、重要なことでした」

ティファニー・メイヤー
「この勢いは、安倍元総理がいなくなっても、続いていくとお考えですか?」

日本戦略研究フォーラム シニアフェロー|One Korea Network理事 グラント・ニューシャム氏
「そう思います。日本の政治家、日本の自衛隊の間でさえ、かなり定着していると思います。しかし、一般市民全体に、本当に定着しています。

興味深いことに、日本の一般市民は常に、日本のほとんどの政治家よりも外交問題に対して優れたセンスを持っていると思います。

彼らは、国家が直面しているリスクを理解しています。

一般市民にとって、日本が防衛力を高め、米国との協力関係を向上することは、単純に理に叶うことなのです。

大きな転換点になると思います。(この悲劇に当たって)このような表現はしたくありませんが…

しかし、日本に滞在したことのある人ならわかると思いますが、今の日本は10年前とは、見分けがつかないほど変わっています。

また、日本は良い振る舞いをしてきたことも忘れてはなりません。

第二次世界大戦の終焉以来、これほど良い振る舞いと、強い責任感を持つ国は他にありません。
日本は良い国であり、この地域そして世界にとって、大きなプラスだと言えるでしょう」

〈字幕版〉

 
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