パキスタン軍は、中国から購入した4隻の軍艦に欠陥があると報告しました。ミサイル発射時に不具合が発生するとのことです。
パキスタン海軍が中国から購入した、少なくとも4隻のフリゲート艦に欠陥があることが判明しました。これは、ユーラシア地域、中東、南アジアのニュースを専門に扱うデジタル・ニュースサイト「ユーラシア・タイムズ(EurAsian Times)」の報道によるものです。
この調査結果は、ヨーロッパの国際問題専門家、バレリオ・ファブリ氏の分析に基づいています。
ファブリ氏によると、パキスタンは2005年に中国とズルフィカル級フリゲート艦(中国名F-22P)を建造する契約を結びました。これらは7億5,000万ドル(約1,000億円)で売却され、2009年から2013年の間に引き渡されました。
そのうちの3隻は、中国船舶工業貿易有限公司(CSTC)から購入しました。1隻は、中国との技術移転契約に基づき、パキスタンの国営軍事企業「カラチ造船所&エンジニアリング・ワークス(KS&EW)」が建造しました。
これらのフリゲート艦は、防空の強化、迎撃用海面戦闘力の強化、そして海上パトロールなどを目的としたものです。このような任務では、長距離の地対地、地対空ミサイルを搭載する必要があります。
しかし、パキスタン海軍は、同艦のHQ-7A(輸出名:FM-90)対空ミサイルのミサイルシステムの捜索・追跡レーダーに問題を発見しました。つまり、高出力通信時に誤動作を起こしていたのです。そのため、システムは標的をロックオンできず、標的を正確に攻撃することができないとされています。
そのため、全艦合計17個の赤外線センサーの欠陥品は、すべて廃棄せざるを得ませんでした。
メインエンジンにも問題があり、排気温度の上昇によって、エンジンの回転速度が低下するといいます。
ファブリ氏は、「エンジンのクランクケースとライナーに高度な劣化が見られ、船内の冷却液の化学的性質が損なわれていた。潤滑油や防振装置の劣化なども、エンジンの不具合の一例だ」と説明しました。
ユーラシア・タイムズによると、中国製の防衛装備品の問題はよく報告されています。
パキスタン軍はインドのロシア製戦車T-90MSに対抗するために、2020年に中国からVT-4主力戦車と203mm牽引式重砲を購入していました。
今年2月、パキスタンはこれらの兵器の品質と信頼性にも問題があると報告しました。
ヨルダン空軍とバングラデシュ空軍も同じような問題点を訴えました。
両者とも、中国の航空会社から調達した航空機の性能問題を指摘しました。